新型コロナ患者が入院する“レッドゾーン”というエリア。今回、医師の指導のもと、特別にその中で取材をしました。入院患者に直接聞いた過酷な実情とは・・・。
東京臨海病院 山口朋禎医師
「こちらがナースステーションです。看護師さんを中心にスタッフが集まって、色々なことを決めている司令塔のようなところです」
東京・江戸川区にある東京臨海病院では、中等症以下の患者を受け入れています。66のコロナ病床があり、この日は20人ほどが入院していました。
患者数が減っても、コロナとの闘いが続いている現場を知ってほしいと取材を受けてくれました。
ピークだった8月の様子を尋ねると。
山口医師
「8割9割くらい常に満床の状況で」
山本恵里伽キャスター
「それだけ治療対応が必要な患者が多かった」
山口医師
「そうですね。本当にここもこんなに落ち着いていなくて、もっとスタッフも多かったですし、みんなバタバタして、野戦病院みたいでした」
コロナ患者は全員、今いるナースステーションの隣にある“レッドゾーン”と呼ばれる病床エリアに運び込まれます。
ちょうどこの日入院してきた患者は2人。うち1人の、22歳の男性患者にタブレット端末を使って短く話を聞くことができました。
山本キャスター
「今どういう状況なんでしょうか?」
男性患者(22)
「熱が下がらなくて4日くらいずっと39度、38度で、ちょっと息苦しいですね。正直、コロナ思っていた以上につらいです」
入院する4日前に発症し、ずっと高熱に悩まされているといいます。
山本キャスター
「何か周りの人に伝えたいことがあったらぜひ教えてください」
男性患者(22)
「若い世代の人は“コロナそうでもないでしょ”みたいに考えている人もたくさんいると思うんですけれど、本当想像以上につらいんで、皆さん気をつけてください」
医療現場の最前線“レッドゾーン”。入るには防護服が必要とされます。ただ、特別な仕切りはありません。
山本キャスター
「絶対にもう空気も触れられない状態なのかなと思っていたんですけれど、決してそうではないんですね」
山口医師
「そうですね。落ち着いている患者さんは部屋から出てもらっても構わないです」
1年半以上この“レッドゾーン”の中で、医療従事者が闘いを続けています。特別に許可をもらい、防護服を着て取材することができました。
山本キャスター
「かなり作業が多いので着るだけでも大変です。これを毎回、着たり脱いだりを毎日繰り返すというのは相当な負担になりますね」
“レッドゾーン”へのルートは一方通行で、入口も出口もそれぞれ1か所だけです。
山口医師
「ここからが“レッドゾーン”になります」
“レッドゾーン”では、症状が重い患者が個室、軽い患者が大部屋と分けられています。
この大部屋では、感染した家族全員が入院。家庭内感染が増えているといいます。
山本キャスター
「みなさん、腰に消毒液などを持っていますね」
看護師は、パソコンなどの共有物を触る際ウイルス付着の恐れがある手袋を外し、手を消毒したうえで作業にあたります。
また、手袋は病室に入る前、毎回交換する必要があります。
山本キャスター
「このずらっと並んでいるのも?」
山口医師
「ネーザルハイフロー」
大量の酸素を簡単に鼻から投与できる「ネーザルハイフロー」という機械です。重症患者に使用される人工呼吸器と違い、重症化を防ぐ目的で使われ、装着したまま話したり食事したりすることができます。
山本キャスター
「すごい数ですね」
看護師
「(ピーク時は)これで足りなかった」
山本キャスター
「これでも足りなかった?」
看護師
「足りなかった。1台を争っていました」
この病院では、重症化を防ぐことで病床の回転率をあげ、多くの患者の命を救うことができたといいます。元々は5台でしたが、先月までに27台まで増やしました。
医師の指導のもと、入院患者に直接話を聞くことができました。
山本キャスター
「今お話しすることは苦しくないですか」
男性患者(47)
「大丈夫です」
都内に住む47歳の男性患者です。高熱と肺炎の症状があったため、9月15日に入院しました。
山本キャスター
「ほかの家族は大丈夫だったんですか?」
男性患者(47)
「私のほか、妻も感染してしまいまして、私、妻、息子の3名が陽性反応ですね」
山本キャスター
「感染が分かった時、どんなお気持ちでしたか?」
男性患者(47)
「家庭でも消毒をまめにしていましたけれど、やはりどこからうつるのか分からないものなんだなと、ショックを受けていました」
現在は妻と長男も回復し、男性患者も、抗ウイルス薬「レムデシビル」などを投与する治療で回復しました。この翌日には退院です。
山本キャスター
「入院されてみていかがですか?病院の状況は?」
男性患者(47)
「慌ただしいです。新規感染者数は少なくなってきているかもしれませんが、医療の現場ではとてもそういう感じはしません。みなさんがすごく慌ただしく頑張っているのをみて、私も社会のために1日でも早く復帰して、何かの役に立たないといけないのかなという気持ちにさせてもらえるくらいには、考えさせられる機会になったのかなと」
医療現場の過酷さを目の当たりにした男性患者。そして、コロナの恐ろしさをこう話します。
男性患者(47)
「本当に目に見えないし、感じることもないまま、死んでしまう可能性があるんだなと思いました」
山本キャスター
「命の危険を感じたわけですか?」
男性患者(47)
「そうですね。決して新規感染者数の減った数字だけが安全の指標ではないなと思いましたね」
感染者数が減っても安心できない。自身の体験を通じて話してくれました。
1年半以上にわたって、コロナと闘っている医師に、第6波への備えとして、何が必要か尋ねると。
山口医師
「病床もそうですし、物品をしっかり確保しておく。先ほどのネーザルハイフローという機械もそうですけれど。あとはスタッフですよね。第5波がかなり悲惨な状況になっていて、これだけ入院できない患者が多くて、自宅で亡くなるとか医療者としては切ない思いをしましたから、そういうことがないように、しっかり医療体制を整えることが大事かなと思います」(28日23:17)
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コロナ最前線 “レッドゾーン”で患者に聞く恐怖【news23・山本キャスター取材】
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