10月から一部の自治体で、行動制限の緩和についての先行的な実証実験がスタートします。
実験の詳細は明らかになっていませんが、エリアや人数、営業時間などについての実験が行われるかもしれません。政府としても11月を目処に行う予定の行動制限の緩和、実験の結果には注目です。こうしたコロナと共に生活する「ウィズコロナ」について専門家に聞きました。
■3連休に行われたイベント
南波雅俊キャスター:
9月18、19日に、千葉市で開催された大規模音楽フェス「スーパーソニック」は2日間で約2万枚のチケットが販売され、海外で活躍するようなアーティストたちが参加しました。
注目されたのは感染対策ですが、かなり厳格に行っていたようです。まず、ウレタンマスクや布マスクと比べて、感染防止により高い効果があるとされている不織布マスクを配布。ウレタンマスクや布マスクで来ていた方々にも配っていたそうです。それから、マスクから鼻を出して付けている方に対して、係の方が常に声掛けを徹底していたようです。
当然、酒類の販売や持ち込みは禁止し、アリーナにも座席が置かれ、客同士の間隔がしっかりと空けられていた。それから専用アプリに問診票があって、これを登録しないと入場できないというような対策も行っていたそうです。千葉市の担当者も「(主催者には)当初の感染対策は基本的にやってもらっていた。来場者の皆さんも概ねルールを守っていた」と評価しています。
それから大坂府岸和田市では、9月18・19日に「岸和田だんじり祭」が2年ぶりに開かれました。事前に参加者の陰性の確認やだんじりの間隔を空ける、引き回しの時間を少し制限するなど感染対策が行われていました。そして観覧の自粛のご協力をお願いしますと呼びかけていたのですが、実際のところは一部密になっていた場所もあったようです。勢いをつけて交差点を回る「やりまわし」というのが見どころなのですが、これが見えないように、駅前などには幕がありました。ところが、その幕が丁度ないところに人が集まってしまい密ができていたようです。
■対策にも限界?都内のイベント相次いで中止
都内のイベントはどうなっているのでしょうか。60年以上続く「高円寺阿波おどり」も9月25日、26日の予定でしたが中止になりました。都内最大級のよさこいのイベント「東京よさこい」(10月9日・10日予定)も中止、落語「目黒のさんま」にちなんで行われてきた、たくさんのさんまが例年振る舞われている「目黒のさんま祭り」(10月10日予定)も中止となり、イベントの中止が相次いでいるという状況です。
ホラン千秋キャスター:
こうしたイベントは去年できなかったからこそ、対策をして工夫して、今年こそ開催したいという皆さんの思いもあったと思いますが、感染対策ができる部分もあれば、やはりもうこれ以上はちょっと限界が、というイベントもあるようですね。
東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科部長 寺嶋毅さん:
感染対策までしっかり決めておいて、仮にそこに感染者が紛れ込んでもできるだけ広げるリスクを小さくするような内容ですけれども、厳しくすればするほど、実際に守ることが難しいということもあるので、そこを現実的な内容にするということ。それが難しければ中止もやむを得ないということもあるかもしれませんが、そこにワクチン接種をうまく入れ込んで、現実的に守れる範囲の妥協点をどこにしていくかということが今後の課題だと思います。
井上貴博キャスター:
「スーパーソニック」は本当に厳重な感染対策を行っていて、開催することに批判が集まる中で開催した勇気と、この実行力にまず敬意を表したいと思うんですが、だんじり祭でも目隠しがあまり意味をなさなかったというのは、次のアイディアに繋がるでしょうし、何か次に繋がっていくのかなというのを感じます。
寺嶋医師:
他で行われたことから、今後の課題、問題点がこういうふうにあるんだ(ということを見つけて)そこを守れるようにできるかどうかを入れ込んでいくことが大事だと思います。
■今後につながる?実証実験とは
南波キャスター:
まず確認したいのが東京都の新規陽性者の数です。9月20日に302人と2か月半ぶりに500人を下回りました。その一方で、重症病床使用率は、国の基準で64.3%。50%を超えればステージ4という最も厳しい段階ですが、それは現状変わっていません。
そんな中、政府は11月をめどに行動宣言の緩和をしていこうという案を出しています。緊急事態宣言中でも、ワクチン接種の証明、あるいは陰性証明を提示することで、飲食店での酒類の提供やイベントの人数制限の緩和、県境を越えた旅行を認めるなど様々な案が今出されている状況です。その11月に向け、10月から行動制限緩和の実証実験開始も考えられており、様々な自治体が参加の意向を示しています。
まずは大阪府の飲食店が実証実験に参加するという案が出ています。吉村洋文大坂府知事も9月10日に「食の街ですし、コロナと共存していく道はないものか」とコメントしています。
北海道では札幌市の繁華街「ススキノ」エリアで飲食店の営業時間延長などを検討しているそうです。
福岡県でも飲食店が10店舗ほど集まるエリアでの実証実験を検討しているほか、埼玉県なども実証実験への参加を検討しているということですが、まだ具体的にどういうことをやるかという案は発表されていません。
どういった実験を行ったらいいのか、専門家の国際医療福祉大学松本哲哉主任教授に伺いました。
まずは基本的な感染対策で、「マスク会食」「パーテーション設置」「換気」「CO2センサーの設置」いうことを行った上で、酒類の提供を行って人数制限をするのが良いのではないか。まず店舗の収容人数を半分に抑える。6人席のところを3人、4人席のところを2人、というようにするという案です。
それから時間を制限するということ。まず店側は時短営業はせず、客側の制限時間を1組あたり最大90分までにする、という案を出しています。大事なのは、悪い結果が出ても隠さずに公表することが今後の対策に繋がると松本先生はおっしゃっています。
■実証実験は必要な手段?
ホランキャスター:
このような実証実験は海外でも大規模イベントなどで行われていますし、結果的に感染者が出てしまっている部分もあると思うのですが、イベントを行えるか飲食店は営業していけるか、ということを探る上では、やはり必要な手段なんでしょうか?
寺嶋医師:
必要な手段ですが、ワクチン接種も事前検査も完全なものではないので、例えばワクチンを接種していても感染している無症状の感染者や、検査をすり抜けた感染者がそこの集団に参加して紛れ込んだ場合に、どのくらい周囲に感染が広がるかを検証していくことになります。感染者数がどんどん減ってきて落ち着いてる状況であれば、実証実験で大丈夫ということであっても、感染が広がってくるとまた状況が違うということを念頭に置いておくことが一つと、それぞれのイベントや飲食店での結果で感染が広がったか広がらなかったかというミクロな視点と、その地域や自治体で、間接的に感染が広がるということもありえますが、そういう少し広いところでも見ていくという点と、状況を見ながら段階的な緩和ということになっていくのかなと思います。
井上キャスター:
実験を行ったことで亡くなる方が出るようなことは絶対に避けなければいけない。ただ、この実験を進める上でミスや失敗、小さいものはあると思うんですが、それは後退ではなく前進だと思うんですよね。なんとなく今は“とりあえず人流を止める”とか、“とりあえず陽性者が減ってよかったね”となっていますが、この“とりあえず”を潰すためにも、データを収集して0と100を求めない、そこも大切なのかなと思います。
寺嶋医師:
小さな規模で一つ一つやって、それでフィードバックしてうまくいったら少し広げて、ということの繰り返し、そこがまさに段階的な緩和かなと思います。(20日18:40)
10月からは飲食店での飲酒もOK?制限緩和に向け実証実験開始
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