菅首相の不出馬を受け、混戦模様となっている自民党総裁選挙。現在の情勢と総裁選の仕組みを踏まえつつ、長らく自民党を取材してきたTBSスペシャルコメンテーターの星浩さんに、注目ポイントを聞きました。
ホラン千秋キャスター:
9月行われる自民党総裁選挙。既に出馬を表明した方から出馬を検討している方々まで、今名前が挙がっているのが、岸田文雄前政調会長、河野太郎行革担当相、高市早苗前総務相、石破茂元幹事長、野田聖子幹事長代行、の5人ということになります。
まず、出馬を既に表明しているのが、岸田前政調会長、そして出馬の意向を固めているのが、河野太郎行革担当相と高市早苗前総務相です。そして出馬を現在検討中というのが、石破元幹事長。出馬に意欲を示しているというのが、野田聖子幹事長代行ということなんですが、出馬を表明している方と検討している方、この差は何なのか。それは最初のハードル「推薦人集め」にあるようなんです。どういうことかといいますと、総裁選に立候補するための条件が国会議員20人の推薦人名簿提出ということで、やはりこの20人を集められるかどうか、そこに苦労される方も多いということなんです。
この名簿は「誰がこの人を総裁にと推薦したか」という名簿なんですが、例年、告示日に公表されているということなんです。ですのでその方が総裁に選ばれても、選ばれなくても(その後の人事などに)影響があるということで、この20人を集めるのが、難しい。
そして今回はどんな方が誰を支持するのか、派閥として支持するのか、個人として投票するのか、なかなか読みづらい総裁選になりそうなんです。岸田さんを支持すると見られているのは岸田派です。46人います。そして河野さんは麻生派に所属しているんですが、麻生さんは「出たいなら自分で決めろ」と河野さんに話したということで、どこまで麻生派の支持、そして麻生さんの支持を得られるかというのは難しそうな雰囲気ですね。高市さんに関しましては無派閥なんですが、安倍前総理が支援をするというふうに見られています。そして石破さんは石破派17人いるんですが、この方々全員が石破さんを支持するのかどうか。そして、二階さんとこの週末に会って「しっかりやってくれ、困ったら言ってくれ」というような言葉があったということですので、二階さんから何かしらの支援があるのかどうか。野田聖子さんに関しましては無派閥で、現在20人の推薦人の確保、まだ目処が立っていないようなんです。
井上貴博キャスター:
自民党の総裁選挙の長い歴史で総裁選挙に女性が立候補したのは2008年の小池百合子さんただ一人。そういった中で今回は高市さん、野田さんなど女性の名前が上がりつつある。この一連の総裁選のニュースはどんなところに着目していますか。
田中ウルヴェ京さん:
確かに男性女性両方いらっしゃるということは一つ大きなことだなともちろん思います。同時に私自身は投票権はありませんが、これを機会に本当に日本の、自分の国のリーダーになりうる可能性のある方々が何を考えてらっしゃるのか、というのはとても興味があります。当たり障りのないことを聞きたいのではなく、当たっても触ってもいいので、その方ご自身のゴツゴツした意見を、特にこの不確実なストレスの中、コロナ禍の中でどのようなことをお考えになってるのかっていうのは大変興味があるので、聞きたいですよね。
井上キャスター:
本音の部分を聞きたいんだと。
田中ウルヴェ京さん:
はい。正しい答えがない世の中なので、本音の部分を知りたいです。
井上キャスター:
総裁選挙には私達は一票を投じることはできませんが、その先の総選挙で一票を投じることができる。ぜひ視聴者の皆さん、特に若い世代の皆さんにこの議論に参加していただきたいなと切に願うばかりなんですが、星さんはこの総裁選、現状どう分析されていますか。
星浩さん(TBSスペシャルコメンテーター):
まず、今井上さんが言われたような構図なんですね。総選挙がありますからね。この総裁選挙の最大の課題はやはりコロナ失政が続いている今の“安倍・菅政権”をどう評価するか、総括するかということなんですね。いろんな派手な動きがありますがそういうところは忘れないでもらいたいということと、やはり“安倍・菅政権”はいろいろスキャンダルもありましたから、その問題についてどういうふうに自分たちを評価するかという、その辺をウルヴェさんも言われたようにゴツゴツした本音を表明してもらいたいと思います。
井上キャスター:
後は政治を語る上でやはり綺麗ごとだけではなく、民主政治というのがあり、数の理論というのがどうしても出てくる。派閥の理論をどう考えるのか。安倍さんがなぜ注目されるのかというと、安倍さんの出身派閥である細田派というのは最大派閥(96人)です。そして岸田さんがある程度安定している、と言われるのは派閥の長にいるということは岸田派の46人がある程度くるのではないか。石破さんの石破派は17人。そして麻生派53人のうち河野さんの支持にどのくらいが動くのか、このあたりの情勢分析を星さんお願いします。
星さん:
今回の総裁選挙はあまり派閥の大きい小さいとかは意味がないと思います。特に細田派とか麻生派はかなり割れてくるでしょうから、岸田さんのところはまとまるんでしょうけど、石破さんのところでさえ17人が結束するかどうかわからない。一部は河野さんに行くという人もいるようですので、その辺はあまり。もともと小選挙区制が続いてる中では派閥よりも党の執行部に公認権とか政治資金の差配の力がありますので、派閥が無力化してきたというのは今回おそらくかなりクリアに出てくると思いますね。
井上キャスター:
そうすると派閥談合政治じゃなくて、ある程度オープンな議論が期待できると。
星さん:
我々報道する側も派閥派閥、という話はもうちょっと脇においた方がいいような気がしますね。
井上キャスター:
こういう(派閥勢力の)フリップはちょっとそろそろ時代遅れということで、はい。
ホランキャスター:
ここからは、世の中の皆さんが誰を支持しているのかを見ていきましょう。週末に行われたJNN世論調査で「次の自民党総裁にふさわしいのは?」と聞いたところ、最も支持を集めたのは河野太郎(22%)さんでした。次いで石破茂さん(21%)、そして岸田文雄さん(14%)、野田聖子さん(3%)と高市早苗さん(3%)、となりました。さらにその中で自民党支持者は、誰を支持していたのか見ていきますと、河野さん(25%)、石破さん(20%)、岸田さん(17%)、高市さん(6%)、野田さん(3%)という順になっていいます。なぜこの世論調査が重要になってくるかといいますと、今回の自民党総裁選はよく言われる『フルスペック』で行われる。つまり、国会議員票383票と党員・党友票383票、合わせて766票で決められるということですので、党員・党友投票の方々が誰を支持するのかというのが世論調査で少しわかるのかなということなんですね。
では、自民党の動きについて野党はどのように話しているのか。立憲民主党・枝野幸男代表は「政治空白を作って党内の権力闘争に明け暮れていいのか、自民党として責任を持って対応していただきたい」と話しています。
井上キャスター:
世論調査で野党は政党支持率が全く上がらないという大変厳しい状況でもあるわけです。そしてインターネットの調査などですと、総裁にふさわしい人についてもこの数字とはかなり違うデータもあって、高市さんがドーンと伸びるようなものもあり、まだ混沌としていますが、星さん、一つ考えられるのは、候補者が乱立していると、決選投票になるだろうと。決選投票になると国会議員しか票を投じることができない。そこでどう考えるのか、やはりそこまで見ていくわけですか。
星さん:
典型的なのは安倍前総理の動きですよね。今のところ高市さんを支援するということですが、保守系のグループをまとめるために安倍さんは高市さんの支援に傾いてるんですが、高市さんは決選投票で勝つ可能性はどうも低いだろう、と見てるんでしょうね。決選投票のときに岸田さんに対して応援をして影響力を行使しようと。そういう意味で安倍さんは2回影響力を行使しようという作戦。そういう意味では高等戦術に出たな、というところですね。
井上キャスター:
一手先ではなくて、二手先まで見ている、ということですか?
星さん:
そういうことですね。
一般の人と自民党支持層の支持率が出ていましたが、自民党支持層も全部が自民党員ではないですから、さらにコアな党員となると100万人の党員にはもっと保守的な人とか、もっと政策に関心がある人がいますので、岸田さん17%、河野さん25%という数字は党員の比率からするとちょっとまた変わってくると思いますね。
(06日16:30)
混戦!自民党総裁選 星浩コメンテーターに注目ポイントを聞く
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