シリーズ現場から。3日後に開幕する東京オリンピックでは、史上初めてトランスジェンダーの選手の出場が予定されていますが、アメリカではその競技参加のあり方をめぐり議論となっています。
アメリカ南部・ウェストバージニア州に住むベッキーさん(11)。生まれた時の性は男の子ですが、物心つく頃から自然と、自身を女の子と認識して生きているトランスジェンダーの少女です。
「誰にも止められることなく、私が私自身でいられることは、最高なことです」(トランスジェンダーの少女 ベッキーさん)
小学校のチアリーディングの友人からは自然に受け入れられているといいますが、ベッキーさんは今、ある問題に直面しています。走ることが好きでこの秋、入学する中学校では女子の陸上部に入部したいと望んでいますが、彼女が暮らすウェストバージニア州は今年4月、トランスジェンダーの女性が女子競技に参加することを禁じる法律を制定したのです。
「とても嫌な気持ちです。本当に走りたいだけなのに走ることが出来ません」(トランスジェンダーの少女 ベッキーさん)
実は、こうした動きは近年保守色の強い共和党の知事が治める9つの州に広がっています。
「頑張って!」(母 ヘザーさん)
ベッキーさん家族にとって、スポーツは勝敗を「競う」だけではなく、困難に立ち向かうための力を「学ぶ」意味が大きいといいます。
「チームワークや責任感を学び、なりたい自分に成長するため、陸上をやりたいのです」(トランスジェンダーの少女 ベッキーさん)
「子どもを政治問題化したくない。子どもらしくいさせたいだけです」(母 ヘザーさん)
スポーツを通じた「学ぶ」機会を得るためベッキーさんは今、女子陸上部への入部の前提となるトライアウトへの参加を強く望んでいます。
「ベッキーさんのように自らの認識する性で、スポーツ競技に参加したいという声がある一方で、これに反対する意見もあります」(記者)
女子陸上短距離走の選手、アラナさんは高校の全国大会に出場するほどのスプリンターです。
「高校入学前に数えた際には、169個のメダルがありました」(アラナさん)
週6日、一日2時間半の練習を重ねていますが、高校に進学し、トランスジェンダーの選手がレースに参加してくるようになると、その試合では勝てなくなりました。
「私には双子の兄弟がいて、陸上競技をしていませんが、競走すると今も負けてしまいます。生物学的な“男性”は、“女性”より身体的に優位であると示しています」(アラナさん)
プロを目指し、将来オリンピックへの出場も夢見るアラナさんは「競技の公平性」を担保するため、女子競技にトランスジェンダーの女性が参加しないよう求める訴えを起こしています。
「私の考える解決策は、スポーツに公平性を取り戻すことだと思います。トランスジェンダーの女性が女子競技で、順位を競うことは公平ではありません」(アラナさん)
スポーツの「競う」という側面以外の意義をどう捉え、競技としての「公平性」をどう担保するのか。トランスジェンダーの競技参加は難しい課題を抱えています。(20日10:26)
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問われる“競技の公平性” トランスジェンダー出場めぐり 【現場から、】
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