シリーズ「現場から、」。世界でのワクチン普及がまだまだ進まないなか、バルカン半島のセルビアでは接種が進んでいます。その背景には大国・中国との関係がありました。
バルカン半島にあるセルビア。5月初旬にはレストランの店内営業も認められました。ワクチン接種が進み、接種を完了した人の割合はおよそ27%。ヨーロッパで3番目、フランス、ドイツを大きく上回っています。それを支えているのが・・・
「セルビアでは、中国のシノファーム製のワクチン、そしてファイザー製、ロシアのスプートニクV、そしてアストラゼネカ製と、4種類のワクチンから選ぶことができます」(記者)
「本当に感動しています。私たちのような小さな国に、これだけのワクチンがあり、しかも選べるのです」(シノファーム製ワクチン接種)
「まずは旅行ですね。それに友達とも遊びたいです」(ファイザー製ワクチン接種)
ワクチンごとにブースが分かれ、希望のものが打てます。なかでも多いのが、中国のシノファーム製。実におよそ67%を占めています。
「中国は兄弟国であり、中国人は兄弟です」(セルビア ジェルレック副保健相)
セルビアはまだEUに加盟しておらず、ワクチンの割り当てを受けられません。そこでとったのが、巧みな外交スタンス。アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、そして中国からワクチン供給を早々にとりつけたのです。なかでも感染拡大当初にマスクの提供や医師団の派遣をしてくれた中国に、大統領は絶大な信頼を寄せています。
「コロナ禍が始まると、EUは各国が自己のことしか考えなくなったのです。『自分の国さえ救えればいい』ということですね。中国、そして中国人の皆さんの恩は決して忘れません」(セルビア ジェルレック副保健相)
一方、中国にとってのセルビアとは・・・
「ベオグラードで建設中の高速鉄道の駅です。ハンガリーのブタペストまで結ぶ予定で、中国が投資しています」(記者)
中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」。セルビアはEUとアジアをつなぐ場所にあり、鉄道や道路など中国資本によるインフラ整備が次々と行われています。「一帯一路」の実現に向けた重要な拠点として、街の中心部にも着々と中国企業が進出しています。コロナ禍での関係強化はほかの国にインパクトを与えると、中国友好議員連盟の会長は話します。
「中国にとってのメリットは、セルビアとの良好な関係を通じて、中国と協力すれば双方にとって良いことがある、ということを示せる点です」(セルビア・中国友好議員連盟会長 オブラドビッチ議員)
十分なワクチンを得て、コロナ対策でヨーロッパでも一歩先を行くセルビア。その影には、着実に影響力を増していく大国・中国の姿がありました。(24日11:16)
EU非加盟セルビアで仏・独上回るワクチン接種 背景に中国との関係【現場から、】
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