ゴリラの仮面をかぶる謎の集団「ゲリラ・ガールズ」。これまで訴えてきたのがアート界に根付く男女の“不平等”です。彼女たちの活動と一石を投じる、ある美術館の試みを取材しました。
ニューヨークで1980年代に結成されたゴリラの仮面をかぶる謎の集団「ゲリラ・ガールズ」。メンバーの数や素性は明らかにされていません。
「ゴリラとゲリラって似てるでしょ?私たちはゴリラの仮面をかぶった“自由のファイター”なのよ」(「ゲリラ・ガールズ」 フリーダ・カーロさん)
彼女たちが35年以上にわたって訴えてきたのは、「アート界に潜む女性を阻む壁の存在」です。
「女性は“芸術家”になることを許されてこなかったのです。いつも描かれる対象だったのにもかかわらずです」(「ゲリラ・ガールズ」 フリーダ・カーロさん)
こちらの作品では挑発的な言葉でアート界に疑問を投げかけました。
『女性がメトロポリタン美術館に入るためには裸にならないといけないの?』
ヌードとして描かれているモデルの76%は女性なのに、美術館に展示される女性アーティストの割合は“4%以下だ”と訴えます。なぜ女性アーティストが評価されない社会が続いてきたのでしょうか。
「1000年もの間、美術館にどの作品を展示するかは、白人男性の価値観に基づいて決められてきました」(「ゲリラ・ガールズ」 フリーダ・カーロさん)
その原因は、女性への差別意識やアーティスト、評論家の多くを男性が独占してきた歴史などにあると指摘されています。女性アーティストが世に出たとしても、壁はほかにもあります。
『女性アーティストは男性の3分の1しか稼げない』
実際、存命中のアーティストの作品取引価格を見ると、男性が上位を独占しています。女性の1位は、男性の1位の7分の1にも及びません。アート界に根付く男女の不平等。アメリカ東部・ボルティモア美術館の取り組みが注目を集めています。
「この年になってね・・・」(ヴァラリー・メイナードさん〔83〕)
83歳のヴァラリーさん。長いアーティスト生活で作品が美術館に展示されたのは初めてです。女性の作品のみを集めた展覧会が開かれたのです。
Q.美術界に不平等はあると思う?
「分かりきったことじゃない。美術館で女性の作品数を数えてごらんなさいよ」(ヴァラリー・メイナードさん〔83〕)
ボルティモア美術館は去年、“女性”アーティストのみ49人の作品に日本円で2億5000万円あまりを費やしました。男性の作品は一切購入していません。
「何世紀にもわたる不平等を無くす唯一の方法は、大胆な試みを実行することなのです」(ボルティモア美術館の担当者)
ゲリラ・ガールズが美術界の現状に声をあげ始めてから35年あまり。フリーダさんの仮面は白髪になりました。
「私たちにはずっと多様性がある。そうでなければただの富と権力の歴史でしかありません」(「ゲリラ・ガールズ」 フリーダ・カーロさん)
ゲリラ・ガールズが活動を終える日は来るのでしょうか。
(2021年3月10日23:31)
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アート界にも「女性を阻む壁」【news23】
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