東日本大震災から、まもなく10年。JNNでは「つなぐ、つながるプロジェクト」として各番組が横断で、被災地の今をお伝えしています。今回の舞台は岩手県大槌町。震災発生から復興へ、町の歩みを記録し続けている女性写真家が地元で写真展を開いています。被災者の目線で撮影された写真の数々が伝える、ふるさとの記憶とは・・・。
東日本大震災発生の翌日、岩手県大槌町で撮影された1枚の写真。壊滅した町を見つめる男性の背中からは、被害の大きさと深い悲しみが伝わってきます。
「大人も学校の生徒さんも『空襲の後みたいだね』って、この写真については言うんですよね。『空襲』という2文字がぴったりのような」(アマチュア写真家 伊藤陽子さん)
撮影した大槌町のアマチュア写真家・伊藤陽子さん(70)です。2011年3月11日、用事で町の外にいた伊藤さんが大きな揺れの後、車で地元に戻ったのは翌日未明のことでした。
大槌町内にあった伊藤さんの自宅や40年ほど営んでいた喫茶店も津波に流され、兄2人が犠牲になりました。震災の翌日から、残ったカメラや携帯電話を手に、町の様子を記録し続けていた伊藤さん。震災発生翌年の2012年、自分や町の人が撮影した震災の写真集を自費で出版し、その後、国内や海外でも写真展を開きました。
今月6日、地元・大槌町のショッピングセンターで写真展の準備を進める伊藤さんの姿がありました。伊藤さんの弟の孫で、震災当時は4歳だった中学2年生の兼澤琉月さんです。震災直後、伊藤さんとともに、がれきの山となった町を歩きましたが、あの日の記憶は今ではおぼろげです。
「(当時のことは)少し思い出すな、みたいなくらい。おばちゃん(伊藤さん)の写真を通して知っていけばいいかな」(伊藤さんの弟の孫 兼澤琉月さん)
伊藤さんが危惧しているのは、震災を知らない子どもたちが増え、風化が進んでしまうことです。
今月7日、初日を迎えた写真展。町の内外から多くの人が訪れました。伊藤さんが一番見てほしいと思っていた子どもたちや若い世代もいました。
「やっぱり忘れちゃいけないなというところはあって、最近すごく地震が続いているかなと思うので」(大槌町の隣 山田町から来た人)
「東日本大震災のあったときのことを知らなかったので、そういうことが知れてよかったです」(小学2年生)
「10年先は、(自分が)いるかいないかわからないけれども、1日の積み重ねが10年だから、たぶん、自分で歩いていれば写真を撮っているんじゃないですかね」(アマチュア写真家 伊藤陽子さん)
伊藤さんが撮り続けた大槌町の10年。これからを生きる世代へ、記憶と教訓を伝えています。
(2021年3月09日07:59)
#東日本大震災 #岩手 #写真
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「空襲の後みたい」 被災者目線の写真で記憶を次世代へ【#あれから私は】
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