窓のない薄暗い部屋に大型哺乳類の剥製が所狭しと並ぶ。
ここは茨城県つくば市にある国立科学博物館の筑波研究施設「自然史標本棟」。通常は非公開の8階建ての建物に世界中から集められた動物や植物、鉱物など多岐にわたる標本が収蔵されている。
博物館の本館(東京・上野)に展示している標本資料は全体の1%未満。展示室に収まらない約470万点が筑波研究施設に保管されている。上野動物園の人気者だったジャイアントパンダ「リンリン」の剥製もある。
現在では入手困難な標本も多い。動物研究部の研究者、川田伸一郎さん(47)は「その時代の自然の一部を切り取るのが標本。とにかく集め、残し続けることが博物館の仕事」と重要性を強調する。
これらの貴重な収蔵品を活用しようと、同館は昨春「科学系博物館イノベーションセンター」を設立した。VR(仮想現実)を導入した学習支援にも取り組む。新型コロナウイルスの影響もあり、自宅で楽しんでもらえるように各コンテンツをウェブ上で公開している。
展示や研究に活用されていない標本でも今後、科学技術の進歩や標本数が増えることで、新たな価値が見いだせることも期待される。
「未来の研究者がここから大発見をしてくれる可能性もある」と川田さん。バックヤードの標本は発見の時を待ち続けている。(写真報道局 鴨川一也)
新発見を待つ標本470万点 国立科学博物館(茨城・つくば)
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