河口が一望できる高台に登ると無数の船が浮かび、色とりどりの光が水面に反射していた。ときおり船のモーター音と漁師の話し声が聞こえてくる。
高知県西部を流れる四万十川。冬になると体長5cmほどのウナギの稚魚「シラスウナギ」を狙う船で活気づく。水中を照らすLEDなどの集魚灯を使い、直径15cmほどの網ですくう。
マリアナ諸島付近で生まれるニホンウナギは、黒潮などの流れに乗り冬から春頃にかけて東アジアの沿岸部に来遊するとされる。成長のため、夜、海から川に上る生態を利用し河口付近で漁をする。特に新月の頃の大潮は遡上が活発になるとされ、「闇の大潮」とも呼ばれている。潮が動く時間は船の数が一段と増える。
「じーっと待つから寒いのがきついね。今年はあまりとれず行くのがしんどいと言っている人もいる」
漁をよく知る四万十市の松岡功さんは話す。豊漁だった昨年とは対照的に今年は漁獲が少なく、一晩で数匹しかとれない日もあるという。
シラスウナギは流通業者などを通して養殖業者に販売される。1kg当たり200万円を超える値が付くこともあり、「白いダイヤ」とも呼ばれる。副業としてシラスウナギを狙う人も少なくない。
高値が付くことから密漁や違法な取引も相次ぐ。高知県では適切な資源管理のため、漁業時期や量の上限が定められている。また今年度からシラスウナギに番号をつけ取引記録を作成・保存することなどが法律で義務化され、流通経路の透明化に向けた制度が整備されつつある。
「四万十川は宝の山」と、地元の人は胸を張る。豊かな川で行われる冬の風物詩を取り巻く環境も少しずつ変化してきた。これからも日本に根付くウナギの文化を支える。水面の明かりは未来への灯火だ。
(写真報道局 相川直輝)
【探訪】きらめく水面が誘う「白いダイヤ」 四万十川のシラスウナギ漁
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ