1970年代、全国に超能力ブームを巻き起こした〝奇術師〟ユリ・ゲラー氏(78)がイスラエル西部の商業都市テルアビブ郊外で「ユリ・ゲラー博物館」を営んでいる。博物館の扉を開けてみると、飛び出してきたゲラー氏本人に遭遇した。代名詞であるスプーン曲げは健在だった。
「フォークでもナイフでも鉄製品なら何でも曲げられるけれど、分厚ければ分厚いほど難しいんだ」
ゲラー氏はこう語ると、どこからともなく銀製スプーンを取り出した。
右手でスプーンの持ち手をつかみ、左手でネック部分をこすると、こすった部分がぐにゃりと直角まで折れ曲がったり、元に戻ったりを繰り返した。さらに〝念力〟を送ると、スプーンのヘッドと持ち手が真っ二つに分かれ、ヘッドが床に落下した。
ゲラー氏が曲げたスプーンを記者が力を込めて元に戻そうとしたが、びくともしなかった。ゲラー氏は「誰にでもできるわけではないんだ」と明かした。ゲラー氏の子供や孫にも〝超能力〟は受け継がれていないそうだ。
では、なぜゲラー氏は念力でスプーンを曲げられるのか。ゲラー氏による説明はこうだ。
6歳の頃、外で一人で遊んでいたとき、光る物体を見つけた。ゲラー少年は宇宙人だと思った。しばらく見つめていたところ、突然強力な「レーザービーム」が額を直撃しその場に倒れ込んでしまった。
その日、家に帰った後、夕食で銀製スプーンを不思議な力で曲げられることに気が付いたという。
昨年、病院で脳のMRI(磁気共鳴画像)検査を受けようと思い立った。子供の頃に額にレーザービームを受け、「贈り物、メッセージ、力」を授かった気がしていたからだ。MRIには、脳内に何かが埋め込まれたかのような小さな黒い影が写し出された。
ゲラー氏の脳のMRIに医師たちは卒倒した。医師たちの話では、病気の危険性はないが、この黒い影が何かは不明だという。ゲラー氏はこの黒い影こそが、自身の超能力の源泉に違いないと確信した。
ゲラー氏を巡る超自然現象を信じる人も、信じない人もいる。インターネット上には心ない書き込みもあったという。だが、ゲラー氏自身は「僕は物議を醸す人物さ」と余裕綽々だ。「悪いことは何もなかった。いいことばかりだ」と軽快に語り続けた。
「僕を誹謗中傷した人たちにはこのオスカー像を作ってみせるんだよ」。そう言ってゲラー氏は、米アカデミー賞の受賞者が受け取るオスカー像に似せた人形を披露した。複数の曲がったスプーンをつなぎ合わせた作品だった。これも超能力で作ったのだろうか。(テルアビブ 岡田美月)
イスラエルで今も“超能力”を披露するユリ・ゲラーさん、スプーン曲げは健在 #ユリ・ゲラー #スプーン曲げ #超能力
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