幕末から明治初期にかけて横浜を拠点に風景などの写真を撮影した英国籍の写真家、フェリーチェ・ベアトが制作した写真アルバムが撮影から160年ぶりに英国から戻り、横浜開港資料館(横浜市中区)に寄託された。同資料館を管理する横浜市ふるさと歴史財団が31日、発表した。横浜の遠景、鎌倉の大仏などをとらえた写真38枚が収蔵され、同財団は「日本での撮影活動の初期に制作し、極めて資料的価値が高い」としている。
同財団によると、ベアトは1863(文久3)年から日本で撮影活動を行ったとされ、当時の写真家の第一人者。アルバムはベアトの署名とともに「No.10」と書かれているため初期の作品と考えられ、他の記載内容から63年中に撮影された可能性が高い。同年に日本を出国した英国の海軍中尉が92年、日英間の友好関係強化に取り組むロンドンの団体に寄贈した。
横浜の遠景写真は野毛の高台から山手、関内などのエリアを撮影。警備小屋などのほかにも、火鉢のそばで座る和服の女性、手を合わせる僧、医師、飛脚ら人をとらえた写真もある。同資料館の吉崎雅規・主任調査研究員は「おそらく日本でアルバムの形態で残っている最古級のものではないか」と分析する。
このアルバムは昨年、横浜市で洋菓子店などを営業する「三陽物産」(中区)の社長、山本博士さんがオークションで落札して入手した。山本さんはこれまでにも個人、会社として収集してきた多くの歴史的な資料を寄贈、寄託してきた。この日の記者会見で「今まで集めてきた中で最も価値があると思う」と語った。
英国籍写真家のアルバム、160年ぶりに横浜に 幕末の風景や人々をとらえる
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