着工から竣工まで24時間、しかも300万円台の家―。そんな夢のような話が現実になりつつある。3Dプリンターを利用した家づくり行うのが兵庫県西宮市に本社を置く「セレンディクス」だ。
3Dプリンターであらかじめ出力されたコンクリート製のパーツを、現地で組み立て、細部を仕上げて完成。壁の厚さは30センチで、震度7の地震にも耐える。
今年5月、長野県佐久市に市販化第一号となる10平方メートルモデル「スフィア」が建設された。
作業員がクレーンで吊り上げられたパーツの位置合わせを行い、三角形の窓枠をはめ込んでいく。2分割された屋根をつけると、宇宙船のようにも見える建物が姿を現した。作業開始から3日、実作業は約23時間だった。
「建設業界のゲームチェンジャーとなる」と息巻くのは同社執行役員の飯田國大さん。土地代や建設コストの上昇で、東京区内の新築分譲マンションの平均価格は1億円を突破。
一方、スフィアの販売価格は330万円。「車と同じ価格でマイホームを購入できる」と話す。
価格の高騰はもちろん、人手不足も深刻な課題。少人数、短時間で施工できる点にも注目が集まる。
7月には愛知県小牧市に1LDK(50平方メート)で550万円の「フジツボ」を約44時間で建設。問い合わせはすでに8000件を超えた。ウクライナ政府から復興住宅としての問い合わせもあるという。
フジツボは今後1年で6棟の建設を予定しており、来年夏には床面積70平方メートルのタイプも販売予定だ。
パーツの製造は愛知県小牧市など5つの工場で行う。コンピューター制御で動く巨大な3Dプリンターのノズルからコンクリートが流しだされ、何層にも重ねて壁面が形作られていく。完全無人化はまだ先だが、従来の家づくりの面影はない。
コロナ禍でテレワークやワーケーションも一般化してきた。好きな場所に住み、車と同じように気軽に家も買い替える時代はもうすぐかもしれない。
24時間で完成 未来の住まい「3Dプリンター住宅」
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