日本の記録映画の歴史に触れようと、日本唯一の国立映画機関「国立映画アーカイブ」(東京都中央区)の門を叩いた。
「日本の記録映画の出発点となったのが、ちょうど100年前に起きた関東大震災でした」と、同アーカイブの客員研究員、とちぎあきらさんは話す。
震災をきっかけに、新聞社や映画会社、ジャーナリストが事件や出来事を映像で記録する重要性に気づき、普及が進んだという。
アーカイブの相模原分館では、8万点にも及ぶ所蔵映画フィルムや、映画関連資料を24時間空調システムを使用し、適切な温湿度環境で安全に保護している。保管庫内は常時2~10度に保たれ、フィルム缶を1缶ずつ格納する可動棚に収められている。今秋、アーカイブの協力で、日本記録映画史の創成期に撮影された関東大震災の映像に焦点を当てた長編記録映画「キャメラを持った男たち」を全国で上映した。
そこには、まだ真新しいメディアだった記録映画を撮るため、カメラと三脚をかついだ「キャメラマン」たちが手探りで被災地を駆け巡る姿が残されている。今や個人がスマホで簡単に動画を撮り、ネットやSNSに投稿できる時代。だが、どんなに技術が進歩しようが、遠い過去に遡(さかのぼ)って撮影することはできない。過去のフィルムはかけがえのない貴重な資料だ。
とちぎさんは「フィルムの保存は、将来に残す大切な遺産の一つ。記録映画には日常生活を収めた身辺雑記的な映像がたくさんある。日本人の生活や習慣、風俗などを知る絶好の材料ではないか」と話している。
関東大震災や風俗などの貴重映像、8万点保管 国立映画アーカイブ相模原分館
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