【合肥=三塚聖平】中国の李克強前首相が27日に68歳で急死したことを受け、追悼の動きが広がっている。李氏の故郷である東部の安徽省合肥市では旧宅を献花に訪れる人が後を絶たない。中国では政治指導者の死が民衆の政治運動につながった歴史もあるため、当局は市民による追悼活動に神経をとがらせていることもうかがわれる。
30日昼頃、合肥市中心部の一角を訪れると、白や黄色の花束が路地を塞ぐような形で山のように置かれていた。李氏が幼少期を過ごしたとされる住宅がある付近だ。平日にも関わらず献花のための行列ができていた。
地元民によると、李氏の死が伝えられた27日から人々が集まるようになった。週末には献花待ちの長い行列ができたといい、安徽省外からも多くの人が来ているという。
花束には「良き首相に哀悼をささげる」といったメッセージが添えられていた。李氏の改革派としての姿勢や、率直な発言に共感を覚えていた中国人は少なくない。地元出身のタクシー運転手の男性は「実務者として自分の仕事をしっかりやった人だった」と評価する。献花の列には仕事途中に寄ったとみられる配達ドライバーの若者の姿もあった。「ゼロコロナ」政策の後遺症もあって苦しい経済状況が続く中、改革派だった李氏に思いを寄せる若者も少なくないとみられる。
花束が置かれている場所ではそろいのベスト姿の男性らが「ずっと立ち止まらないように」と注意しており、大通り沿いには警官も多数配置されていた。追悼の動きを過度に規制して庶民の反発を招かないようにするとともに、大人数が1カ所にとどまって体制批判の集会にならないよう警戒しているもようだ。中国では1989年に死去した胡耀邦・元中国共産党総書記に対する追悼活動が天安門事件につながったといった過去がある。
中国の交流サイト(SNS)でも追悼メッセージの投稿が続いているが、表示されなくなっているものもあり、制限を加えられているもようだ。
中国国営メディアは、李氏が27日未明に突発の心臓病のため上海市で死去したと伝えている。香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストは30日までに、李氏が上海の高級ホテル、東郊賓館で水泳をしていた際に心臓発作に襲われたと伝えた。李氏は過去に冠動脈バイパス手術を受けたことがあったという。
李克強前首相の故郷で献花広がる 当局は警戒か
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