【ウマニ(ウクライナ中部)=渡辺浩生】4月28日、ロシアのミサイル攻撃により民間人23人が死亡した中部ウマニの集合住宅前を30日訪ねた。焼け焦げた現場を見上げる住民たちは怒りで呆然としていた。ウクライナ軍による春季攻勢が迫るタイミングで、露軍の民間施設を標的にする攻撃は頻度を増す傾向にあり、ウクライナの国民に恐怖と動揺を植え付ける戦略的狙いがあるとみられる。
「爆発音と振動で窓や扉が吹き飛んだ。直前に空襲警報が鳴り妻子と中央の部屋に移り、ガラスの破片の犠牲にならなかったのが、せめてもの幸いだった」
28日未明、カスピ海上空のロシアの長距離爆撃機が発射した巡航ミサイルが9階建て集合住宅の角に直撃した。5階に住むIT企業勤務のオレクサンドル・ホリチコさん(43)は疲れ切った表情で語った。
「侵略から1年以上が過ぎて人々は警報に慣れ、自分も大丈夫と思っていたが、軍事施設が近くになくてもロシアは狙ってくる」
救助活動は終了したが、地面に瓦礫やガラスが突き刺さり、焼け焦げた壁に衣服がぶら下がる。1~17歳の子供6人が死亡した。人々が絶えず花束やぬいぐるみを置いて祈りを捧げる。
母親や叔父ら家族4人を亡くした女性は「今日が葬儀なので‥」と泣きはらした目で立ち去った。退役軍人のコイスチャさんは、「親友が妻と1歳半の娘を亡くした。よく働き仲の良い家族だった」と話す。
首都キーウから車で南へ約2時間、ウマニは風光明媚な公園都市として知られる。「ロシアのSNSには『標的に命中した』と被害を喜ぶ投稿があった。軍事目標と無関係の静かな住宅を狙った戦争犯罪、虐殺です」。8階の両親が無事だったというオルハ・セレブシャルコさん(42)。
4月28日は露軍が複数の民間施設・住宅を狙う約2カ月ぶりの大規模攻撃で東部ドニプロでも母子が死亡した。だが、南・東部の前線から離れたウマニの悲劇は国民にショックを与えた。ゼレンスキー大統領は「邪悪な攻撃はテロ国家ロシアを敗北と罰に近づけるだけだ」と非難。ロシアが実効支配する南部クリミア半島で29日起きた大規模火災はウマニ攻撃への「神罰」(国防省情報総局報道官)ともいわれる。
南部ザポロジエ、ミコライウ、ヘルソン州などの前線近くの街でも爆撃が再び頻度を増す。旧ソ連時代建設の集合住宅が多くの標的だ。対空ミサイル網で守られる首都キーウと異なり地方の防空は脆弱だ。
ウクライナの春季攻勢の準備は「最終段階」(レズニコウ国防相)にあり、兵士の練度や武器の性能で劣るロシアにはウクライナ国民に爆撃の継続で恐怖心を植え付ける心理的な効果を狙っているとみられる。
爆撃現場を見上げる主婦、イリナ・フィリノバさん(39)は「私にも3歳の娘がいる。これから、次は自分たちかもしれないと毎晩考えなければならない。なぜこんな残酷な行いができるのか」と憤った。
ウクライナ国家警察によると、昨年2月の侵略開始後、露軍に殺害された一般住民は1万4千人に上る。
#ウクライナ#Ukraine#ウクライナ侵攻#UkraineInvasion#戦争犯罪#WarCrimes#ロシア#Russia
ロシアのミサイル攻撃により民間人が死亡した中部ウマニの集合住宅
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ