宮崎空港から南に車で約20分。等間隔に並ぶヤシの木の向こうに、真っ青な空と海の間に浮かぶ小さな島が見えてきた。
宮崎市南東部、熱帯の植物が群生する周囲約1,5キロの青島。ほぼ中央に、島全体を境内とする青島神社が鎮座する。古事記などが伝える神話「海幸彦(うみさちひこ)と山幸彦(やまさちひこ)」の舞台で、登場する山幸彦と豊玉姫が結ばれたことから、縁結びに御利益があると信じられている。
潮が引くと、島の周りを波状の岩が囲う不思議な光景が現れる。隆起した、硬い岩と軟らかい岩が交互に積み重なった地層が波に浸食され、硬い層だけが残ったものだ。「鬼の洗濯板」と呼ばれる、国の天然記念物だ。
まだ海外旅行が一般的ではなかった昭和30~50年代、宮崎県は好景気も追い風となり人気の旅行先となった。ピークを迎えた昭和49年には、県外から宮崎市内へ約37万組の新婚夫婦が訪れ、青島神社もにぎわったという。
沖縄の本土復帰などに伴い、最盛期に比べれば観光客の数は減少したが、温暖な気候と、遠浅の海岸線をもつ日本屈指のサーフスポットとして今も根強い人気を保つ。近年は青島地区へ移住するサーファーも多い。
県外から友達が帰ってくると、青島に集まるという同市の福丸葵さん(25)は「町の景色は変わっても海だけは変わらない。特に理由もなく足が向くのは、みんなの心の中で故郷の風景になっているからなのかな」と話す。
時は移ろい、新婚旅行ブームは去った。それでも、この小さな島は変わらず人と人とを結びつけていく。きっと、この先も。
(写真報道局 川口良介)
縁結びの青島へ 誘う鬼の洗濯板
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