「岩手県山田町出身のブルーの隊員がいることを子供たちに知ってもらいたい」と話すのは航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルスのパイロット佐藤貴宏1尉(34)。
故郷への思いは人一倍強い。TACネーム(パイロットの愛称)は「RIAS(リアス)」。震災の記憶が薄れぬよう三陸の特徴ある海岸地形からつけた。空自にいた父の影響でパイロットに憧れ、入隊した。
幹部候補生学校(奈良市)の卒業式前日、大地震と津波が故郷を襲った。ニュースを見て「とんでもないことが起きている」とショックを受けた。
震災から5カ月後、千歳基地に赴任し、念願のF15戦闘機のパイロットになった。
震災10年は通過点でしかない。上空から見る三陸沿岸部はまだまだ復興の途中だ。「飛ぶことで東北の復興を後押ししたい」と話す。松島基地(宮城県東松島市)を拠点に活動するブルーインパルスは復興の象徴でもある。佐藤1尉はチームの中でも花形の6番機に乗る。
大空にスモークで描く展示飛行で、ブルーインパルスは被災地に限らず多くの人々を勇気づけてきた。昨年5月には、新型コロナウイルスの対応に当たっている医療従事者らに感謝の気持ちと敬意を示すため都心の上空を飛行した。「東北やコロナ禍で奮闘する人たちを思い、最大限のパフォーマンスを発揮したい。みなさんに笑顔や勇気、感動を届ける」と決意を語った。
「リアス」を胸に大空に描く ブルーインパルス6番機 佐藤貴宏さん
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