「東京五輪に挑戦します」。陸上の砲丸投げ選手、佐藤征平さん(28)=新潟アルビレックス所属=は「自分はまだ成長している。今年こそ勝負の年」と意気込む。
岩手県陸前高田市出身で、震災に見舞われたのは地元の高校の卒業式を終え、東京の大学への進学を控えた時期だった。山間にある実家は津波の被害から免れたが市職員だった父、正彦さん(当時55)を亡くした。
「父はいつも温かく見守ってくれました。応援に来た試合は安心できたからか、良い記録が出たのを覚えています」と振り返る。
傷を負った故郷や家族を残しての進学には迷いがあったが、1カ月遅れで上京を決意。「岩手への思い」を胸に秘め、地道な努力を続けた。津波で全壊した高校のがれきから捜した陸上シューズで大会に出場したこともある。
身長173cm。この競技では小柄な体を筋肉で強化し、大学入学時には86kgだった体重が130kgを超えるまでになった。体の軸を使った〝技〟で勝負する投法で平成30年に初めて全国大会で優勝し、同年から国体を2連覇、五輪を狙う位置につけた。
この10年間、たくさんの人の応援に助けられた。挑戦する姿を示すことで、ひとりでも多くの人たちを勇気づけることができたらうれしい。「競技に区切りがついたら、岩手に帰って教員として将来を担う若者を育てたい」と故郷への思いを語った。
東京五輪へ勝負の年 陸上・砲丸投げ 佐藤征平さん
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