美しく折られた紅のテーブルナプキン。きびきびと動き回るウエーターたち。
食事を楽しむ客から漏れる食器の音や華やいだ話し声。
流れゆく窓の風景を目にしたとき、ここが走行中の車内だと気づかされた。
九州新幹線と並行するように南九州を走る第三セクター「肥薩おれんじ鉄道」の観光列車「おれんじ食堂」。
同列車は平成25年、利用者減少対策と地域活性化のため誕生した。移動ではなく食事を楽しむことに特化した〝レストラン列車〟のさきがけだ。週末に、新八代駅(熊本県八代市)川内駅(鹿児島県薩摩川内市)間を朝食、昼食、夕食の3回に分けて走る。新幹線では約分で到着する区間を約4時間かけてゆっくりと進む。
車窓に広がるのは海岸線の雄大な風景。天気が良ければ、夕日が落ちてゆくのを眺めながらディナーを堪能することができる。地元の旬な食材を使ったコース料理を味わおうと、遠方からも多くの客が訪れる。
東京都杉並区の大学4年、花本渉さんは「友人に勧められてきましたが期待以上。まるでホテルのラウンジのようだった」と笑顔で話した。
日本で鉄道が開業して150年。鉄道は長い歴史の中で、移動や運搬という誕生当初の目的からはるか離れた地点までたどりついた。次の150年では、どんな進化を見せてくれるのだろうか。
(写真報道局 萩原悠久人)
憧れの食堂車、優雅な「旅鉄」満喫
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