浮かぶ雲の合間から太陽が顔を出し、広場に設けられた日陰をつくるためのパーゴラが影を伸ばした。お昼時、友人と談笑する学生やひと休みする職員が、ひとつなぎの屋根の下で自然と空間を共有していた。
岡山市北区に2つのキャンパスを持つ岡山大学。第33回高松宮殿下記念世界文化賞の建築部門を受賞した妹島(せじま)和世氏と西沢立衛(りゅうえ)氏による建築家ユニット「SANAA(サナア)」がパーゴラやテラス、ホールを設計した。
SANAAは国内では多方面に出入り口がある円形の建物が特徴的な金沢21世紀美術館、海外ではルーヴル美術館の別館「ルーヴル・ランス」の建築で知られる。建築界最高峰とされるプリツカー賞を受賞するなど、世界的に活躍しているユニットだ。
妹島氏は、建築を造るうえで「場と人をつなぐ、連続性のあるものを意識している」と話す。
岡山大の建築からもその精神を感じさせられる。大学関係者以外も利用できる「Junko Fukutake Terrace」。テラス内の曲線的なガラスの壁が目を引く「Jテラスカフェ」は歩道から中の様子が見え、店に入っても屋外にいるような不思議な感覚に包まれる。
西沢氏は公共建築の設計について「自分と無関係の建物というのではなく、みんなの空間だということが分かる。それがすごく大事」と説明する。
木々の緑に囲まれたカフェで穏やかな時間を過ごす人たち。SANAAが追求する「気づいたらそこにある建築」のイメージにピタリと重なった。(写真報道局 川口良介)
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気がついたら、そこにある 岡山大キャンパス
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