27日に行われる安倍晋三元首相の国葬を翌日に控えた26日、会場となる日本武道館(東京都千代田区)一帯では警備の最終確認が行われ、警察官らが不審者や不審物に目を光らせた。海外の外国要人らを迎え入れる空港やホテルでも警戒レベルを上げて対応。安倍氏の銃撃事件を受け、刷新された警護体制の下で最初の大規模警備を前に、都内全域に緊迫感が漂った。
日本武道館のある北の丸公園。26日午後、警視庁の水難救助隊員がお堀に入り、水中に潜って不審物がないかを確かめた。制服の警察官はマンホールのふたを一つ一つ開け、懐中電灯を照らして内部を点検。武道館入り口付近では、警備犬が臭いを嗅ぎながら爆発物などの有無を入念にチェックした。
警察庁は26日、国葬の警備に約2万人の警察官を動員すると発表。警視庁の約1万7500人に全国からの特別派遣部隊約2500人が加わり、令和元年10月に行われた「即位礼正殿(せいでん)の儀」の約2万3000人に匹敵する規模だという。
26日午後5時以降は国葬準備の関係者を除き、北の丸公園への入場を制限。武道館側の入り口は車止めにロープを張って通行を遮断し、バリケードの柵も置かれた。ランニングの途中で足を止めた男性会社員(36)は「東京五輪やバイデン米大統領の来日時と同じぐらいの警備だ」と緊張気味に話した。
羽田空港(大田区)では、国葬に参列する外国要人の来日が本格化。関西空港経由で都内に入る要人もいるため、国際線だけでなく、国内線のターミナルでも厳戒態勢が敷かれた。
爆発物によるテロを防ぐため、ごみ箱やコインロッカーは26~28日の間、使用禁止に。ごみ箱には「ゴミは巡回中の清掃スタッフにお渡しください」との張り紙があった。
各ターミナルのロビーでは多くの警察官や警備員が巡回し、物々しい雰囲気。甲府市から来た雨宮隆さん(58)は「普段に比べ警察官が多い。羽田までの道程でも警備が厳しい印象だった」と漏らした。
一方、外国要人らが宿泊する都内の一部ホテルでは、3連休初日の23日から国葬翌日の28日まで客室の予約が埋まった状況が続いているという。
千代田区の老舗ホテルでは26日、政府関係者とみられる人が頻繁にフロアを行き交った。駐車場の出入り口には警察官が2人ずつ立ち、警察車両も配備。周辺でも複数の警察官が警戒に当たった。
日本武道館に近いパレスホテル東京(千代田区)は、ホームページで「25日から28日の間、ホテル施設内の安全強化を目的に入館検査を実施いたします」と告知した。
周辺道路の交通規制で混雑が予想されるため、地下鉄などの公共交通機関の利用を促しており、利用客にはメールなどで連絡した。担当者は「なるべく不便をかけないように対応していきたい」と話した。
(大竹直樹、大渡美咲、深津響)
厳戒態勢の武道館周辺 安倍晋三元首相国葬
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