真夜中のドライブ。煌々と辺りを照らす自動販売機の前に車を止め、缶コーヒーで一服する。深夜営業のコンビニエンスストアが普及する前、幹線道路沿いの自動販売機コーナーはドライバーのオアシスだった。すこぶる美味というわけでもなかったのに、なぜだか無性に食べたくなる昭和の自販機グルメ。味わいを超えた魅力が今、若い世代の心をつかんでいる。
敷地内ずらり100台
バンズのパンがふやけ、表面には、しわ。お世辞にもあまりおいしそうに見えないハンバーガーが、実は売り切れ続出の人気商品だ。相模原市のタイヤ販売店「中古タイヤ市場」。店を運営する有限会社ラットサンライズ社長の斎藤辰洋さんは「パティの肉も高級なものは使っていない。あえて昔ながらのチープな味わいにしている」と話す。
敷地内にずらりと並ぶ古めかしい自販機は、およそ100台。「タイヤ交換の待ち時間にお客さんに楽しんでもらえれば」と、インターネットのオークションサイトなどで10年ほど前から買い集めたものだという。いずれも半世紀近く前に製造された「骨董品」。それだけに買ってすぐに使えるものは少なく、斎藤さんが修復し、現役復帰させた。
とりわけハンバーガーとトーストサンド、うどん・そばの自販機は全国的にも貴重だ。斎藤さんのタイヤ販売店は、いつしか「レトロ自販機の聖地」と呼ばれるようになった。
〝聖地〟で復活した「昭和レトロ」自販機グルメ
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