北朝鮮に拉致され、平成14年に帰国した曽我ひとみさん(63)が19日、地元の新潟県佐渡市で署名活動を行った。一緒に拉致された母、ミヨシさん(90)=拉致当時(46)=はいまだ日本に戻れておらず、今月で44年の月日が経過。「最近は母との思い出を思い出そうとしても、思い出せなくなっており、苦しい。一日でも早く会いたい」と切実な思いを語り、早期救出を訴えた。
曽我さんは昭和53年8月12日、ミヨシさんとともに佐渡島で買い物から帰宅途中に拉致された。自身は平成14年10月に帰国を果たし、北朝鮮に残していた夫や子供たちも16年に日本へ。一方でミヨシさんの安否は不明のままで「この間、一度も大好きな母に会えていない。帰国への進展が見えず、内心は腹立たしさが強くある」と率直な思いを打ち明けた。
日本政府が認定する拉致被害者17人のうち、北朝鮮は曽我さんら5人の帰国被害者をのぞく12人について、「8人死亡、4人未入国」と主張。ミヨシさんは、未入国の4人に含まれるとしている。
曽我さんは、被害者と再会がかなわないまま亡くなる家族がいることについて、「心が痛む」と思いを寄せた。また、横田めぐみさん(57)=同(13)=の母、早紀江さん(86)ら、高齢になりながらも帰国を待ち続ける家族の存在にも触れ、「絶対に、なにがなんでも会わせてあげたい」と力を込めた。
岸田文雄首相に対しては、「北朝鮮に思い切って乗り込んで、トップ会談を必ず、一日でも早く実現してほしい」と求めた。
署名活動は、支援団体「曽我さん母娘(おやこ)を救う会」などが実施。曽我さんは、来場者に「拉致被害者救出の署名活動を行っております」と声をかけ、ミヨシさんの救出を訴えるパンフレットや、ブルーリボンを手渡した。
署名した新潟県村上市の大学院生、佐久間崚太さん(23)は「少しでも力になればと思った。被害者の家族で亡くなる人もおり、発信できる人が減っているので、語り継ぐ必要があると思う」と話した。
「母との思い出、思い出せず苦しい」曽我ひとみさんが署名活動
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