韓国の新駐日大使として16日に着任した尹徳敏(ユン・ドンミン)氏(62)は、韓国を代表する国際政治学者だ。北朝鮮の核問題に精通し、海外メディアがコメントや分析を最も多く引用した韓国人学者として知られる。北朝鮮の核・ミサイルに対応するには日米韓の安全保障協力が不可欠だとするブレない主張は、メディアや学会にとどまらず、与野党問わずに日本の政治家の信頼を得てきた。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(61)が昨年、出馬を宣言する前から外交ブレーンを務めるなど、大統領の信任が厚い。一時体調を崩したこともあり、大統領選後は一歩引こうかと考えたが、文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で過去最悪といわれるほど悪化した日韓関係を放置するわけにはいかなかった。
赴任前、「不安な面も感じる」と漏らしつつも、壊された日韓の信頼やネットワークを「回復することが私の役目」だとし、「全力を尽くす」と言い切った。
軍人として国に尽くした父親を最も尊敬している。国際政治学者を志し、米国に留学したものの、目当ての教授は既に引退していた。米大学の図書館で目にした1冊の本の中の故神谷不二・慶応大名誉教授の東アジア情勢を巡る鋭い分析力に魅せられ、博士課程での慶応大留学を決意した。
留学中は東京下町の月島周辺に暮らした。急速な経済発展で古い街並みを壊していった韓国ソウルと異なり、昔ながらの風情が残る下町が気に入った。日本のラーメンが大好物。日本各地の街を歩き、人々との交流を深めながら、日々進化する日本のラーメンを堪能したいとも考えている。
「どこでも歩いていけば、道になる」という言葉をモットーにしている。過去の韓国政権下で壊された「日韓の信頼の道」を再構築するという重責を改めてかみしめている。(ソウル 桜井紀雄)
北核問題からラーメンまで精通 韓国新大使「信頼回復が役目」
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