陸上の南スーダン選手団が東京五輪・パラリンピックに向け、昨年11月から群馬県前橋市で異例の長期合宿を行っている。内戦で国民の3分の1が難民・避難民とされる母国には戻らず、支援の輪が広がった日本で練習に集中している。
選手団は5人。男子1500mに出場予定のグエム・アブラハム選手(21)は「清潔な水を得ることすらできず、2日に1回しか食事をとれない人もいる。国に平和をもたらすことに、とても苦労している」と母国の窮状を憂える。
今年3月には東京大会の延期が決まったが、選手団は内戦で疲弊して十分な練習環境が整わない母国より、日本に残ることを希望した。市はふるさと納税を活用し、滞在費用を捻出。衣料品を無償提供するなど企業もサポートする。
アブラハム選手は「努力してよい結果を残し、南スーダンにも強いアスリートがいることを世界に示したい」と強い決意だ。
レースは戦いだが、武力で争うわけではない。競技を終えたとき、敵味方なく一つになれる「スポーツの力」を来年、国立競技場で見せてほしい。母国への平和のメッセージだ。 (写真報道局 川口良介)
南スーダン選手団が群馬県前橋市で長期合宿中
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