「少しお待ちください!今から新幹線が通ります」
午前2時半、雨にぬれた国道の交差点で係員が乗用車の運転手に声を掛けた。2分ほどすると、トレーラーに牽引された巨大な新幹線の先頭車両が街灯に照らされて浮かび上がり、交差点をゆっくりと左折していった。真夜中の国道をわが物顔で走る新幹線ー。非現実的な光景に言葉を失った。
長崎県大村市の交差点に現れたこの新幹線は、今年9月23日に開業を予定している西九州新幹線のN700S系。山口県の工場で新造された車両は、船で長崎県川棚町の港に運び込まれ、港からトレーラーで大村市の車両基地に1両ずつ搬入される。全長約25m、幅約3.4mにもなる車両は、一般の通行に支障をきたさないようにと真夜中に輸送されている。
15日未明に行われた輸送では、降りしきる雨の中、沿道に大勢の鉄道ファンや親子連れ、高齢者らが詰めかけ、道路を走る車両を笑顔で見守っていた。新幹線が開業することへの期待感がうかがえた。
JR九州の発表によると、西九州新幹線「かもめ」は長崎駅(長崎市)|武雄温泉駅(佐賀県武雄市)間、約66kmを最速23分で結ぶ。武雄温泉駅で在来線の特急「リレーかもめ」に同じホームで乗り換えることができ、博多駅(福岡市)までは最速で1時間20分。現在より所要時間は30分ほど短縮されるという。一方で、博多駅と武雄温泉駅間の新幹線整備については、地元自治体との調整が難航しており開業のめどは立っていない。
今年1月から開始された車両の輸送は、開業時に用意される6両編成4本のうち3本分を終えた。開業に向けて残りの1本が真夜中の国道を走る予定だ。
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真夜中の国道を走る新幹線
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