膨大な資料をデジタル化して後世に残そうと、日本唯一の国立の図書館「国立国会図書館」(東京都千代田区)で作業が進んでいる。
4500万点を超える蔵書のうち希少なものや劣化したものなどを優先して着手。始めたのは平成12年からだが、令和3年度は大規模な補正予算を組み、図書だけで約30万冊分をデジタル化した。
作業が加速しているのは新型コロナの感染拡大の影響だ。各地で図書館の臨時休館が相次ぐなか、閲覧を望む利用者の声が多く寄せられた。デジタル資料なら、図書館に足を運ばなくてもインターネットを介して読むことができる。
デジタル化の作業は同図書館内でも行われているが、大半は外部業者に委託している。
書類の電子化などを手掛ける東京都港区の「三井倉庫ビジネスパートナーズ」もその一社。
作業は、届いた資料の事前検査から始まる。本に傷や汚れはないか、取り込むページ数はどれくらいになるのか。効率的な進行と作業時の破損を防ぐためチェックは入念に行われる。
次は、スキャニングだ。同社では60台を超えるブックスキャナーが、明かりを消したフロアにズラリと並ぶ。仕上がりにばらつきが出ないよう、1台ごとに色みや明るさを調整し、反射を抑えるために黒いエプロンを着用したスタッフが手際よくページをめくり写し取る。
撮影データは検品担当者へ渡り、ボケやブレ、指などの映り込みがないかチェックされる。その後、指定の規格へと変換されたデータが国会図書館へ納品される。
今年5月末には閲覧できるデジタル資料が311万点に達した。
「(実物の)閲覧に伴う劣化、破損や紛失というリスクは避けられない。コンテンツを利用者が永続的に使えるようにする。そこが一番の意義」と同図書館の資料デジタル化推進室の村上浩介室長(48)は説明する。
所蔵資料の大半は予備の無い〝一点もの〟。実際に手に取らなければ伝わらない情報もあるかもしれない。しかし、デジタル化することで、その内容をより長く、より多くの人に伝えることができる。大切に収集、保存してきた知的財産を継承していく地道な取り組みが続けられている。(写真報道局 川口良介)
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闇から生まれる知の深淵 国立国会図書館
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