駒ケ岳、この名がつく山は東日本に多い。
その最北にそびえる北海道の駒ケ岳(標高1131m)。函館から北へ約40km、内浦湾に面する渡島半島東部に位置し、森、鹿部、七飯の3町にまたがる。富士山と同じ「コニーデ式活火山」に分類され、かつては似たような円錐(えんすい)形だったという。現在のなだらかな尾根と、鋭い山頂を持つ姿になったのは、江戸初期の寛永17(1640)年。大噴火で山頂部が崩落したためだ。独立峰でありながら、非対称で独特な形状となった。地元の人々は今も、噴火前の山容を愛しむように「渡島富士」と呼んでいる。
駒ケ岳は、見る角度や時間帯で、まるで別の山のようにその姿を変えるのが面白い。鹿部町で旅館を経営する飯田明美さんは「南側の鹿部町や大沼から見ると、なだらかで女性的、北側の森町からはごつごつとした山肌が目立ち男らしい印象を受ける」と話す。
秋が深まる中、駒ケ岳を湖越しに望む大沼国定公園を訪れた。朝早く、太陽が昇ると、群生するカラマツやミズナラの紅葉とあいまって山肌が朱色に染まっていく。寛永の大噴火で出現したという湖に風景が映り込んだ。
先住民族アイヌの人々は「帆のある崖山」を意味する「カヤベヌプリ」と名付けた。アイヌの人々の目には、海に近いこの山が船のように映っていたのだろう。
その時々によって、違った姿を見せてくれる駒ケ岳。次は、どこから眺めてみようか。
秋探し朱色に染まる渡島富士 (北海道・駒ケ岳)
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