大規模な土石流被害を受けた静岡県熱海市伊豆山地区で12日、立ち入り規制区域内に自宅がある避難者の一時帰宅が行われ、1世帯2人まで、滞在約2時間、と厳しい制限が付けられた。捜索が続けられ、二次災害の可能性もあるためで、避難者は思い出の品や貴重品を持ち出せた一方で、復興への道のりの長さを想像して表情を曇らせた。
12日午前9時過ぎ、市が手配したマイクロバスなどで到着した第1陣の約10人が、警察官らの先導で自宅に戻った。写真アルバムなど家族の思い出の品のほか、少しでも体が休まるよう慣れた枕などを持ち出したという男性は、スーツケースがいっぱいになった。
東海道新幹線のガード付近に住む後藤光雄さん(75)は、発生直後におぶって避難して一緒に難を逃れた介護中の母親(99)が愛用する眼鏡や、お経を持ち帰った。
すっかり変わってしまった周囲の様子について、「回覧板を回しているお隣やお向かいさんが亡くなった。一目で、復興まで相当の時間がかかると思った」と今後の苦難を思いつつ、「母には頑張って100歳まで生きてほしい」と目を潤ませた。
避難者は12日現在、500人以上となっている。
一方、川勝平太知事と斉藤栄市長は、市内を視察に訪れた菅義偉首相に対して、土石流起点付近の盛り土と発生の因果関係についての国による科学的調査、盛り土規制のあり方見直しなど、5項目を要望したことを明らかにした。
熱海の土石流災害 捜索続く 避難者の一時帰宅も
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