テラスは一瞬のうちに霧に包まれ、幻想的な景色に変わる。霧は風向きによって形を変え、自然と一体の「彫刻」になる。
長野県立美術館(長野市)が10日、リニューアルオープンした。老朽化で建て直し、隣接する善光寺や周辺の街並みと調和した設計で、その代表的な作品が芸術家、中谷芙二子さんの「霧の彫刻」だ。
特殊なノズルから高圧力で人工の霧を噴出させ、人や建物を白い霧で包み込む。景色と調和し、開かれた美術館としてふさわしいと選ばれた。
3年半ぶりに生まれ変わった美術館の本館は地上3階、地下1階。地形の傾斜を生かした構造で、ガラス張りの面が多く、建物の中からも善光寺を眺めることができる。
善光寺は今年、6年に1度の「前立本尊」の御開帳を新型コロナウイルスの影響で来年に延期。御開帳に合わせて予定していた美術館の開館が一足早く行われた。
同館の広報担当、飯塚裕子さん(34)は「御開帳が間に合わず残念だが、いつでも訪れて公園のように利用してほしい」と話す。
3階は信州の山並みや善光寺を見渡す展望広場として自由に利用できる。近くに住む70代の男性は「毎日散歩で通るが、ここから善光寺が見えることは知らなかった。初めて見る角度で新鮮だ」と話した。
善光寺や自然と調和しながら、新しい信州の景色をつくる美術館。来年の御開帳を待ちながら、人々や景色に溶け込んでいく。(写真報道局 宮崎瑞穂)
信州の景色に溶け込む「霧の彫刻」 長野県立美術館
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