東京電力は20日、福島第1原発を報道陣に公開した。昨年12月に宣言された冷温停止状態以後初めてで、同11月に続き2回目。報道陣は、バスで敷地内を回り、短時間ではあったものの実地取材が初めて認められた。鉄骨がむき出しのままの原子炉建屋では、燃料取り出しの準備をする作業員の姿も見られた。
今月6日から経済産業省原子力安全・保安院が実施している事故後初の保安検査の様子も公開した。
今回、敷地内で初めてバスから降りることを許されたが、現場は依然、放射線レベルは高い。3号機原子炉建屋はがれき撤去が進む一方、約100日前の前回公開よりさらに崩落も進み、大きく変貌していた。
復旧作業の拠点となっている免震重要棟では、昨年12月に病気療養のため退任した吉田昌郎前所長(57)に代わり、現地で指揮を執る高橋毅所長(54)が公式の場で初めて取材に応じた。
現場で指揮を執る高橋毅所長はインタビューに答え、「原子炉は非常に安定している」と強調したが、水処理設備については、さらに信頼度の高いものが必要との認識を示した。
高橋毅所長は、「国内外の方々のご支援で冷温停止にもってくることができた。廃炉に向け腰を据えてやっていきたい」と述べ、「地元の皆さま、福島県の皆さまに大変なご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる。プラントは冷温停止状態というところまで持ってくることができた。吉田昌郎(前所長)の思いを引き継ぎ、事故の収束に取り組んでいる」と述べた。
事故発生から1年になろうとする現在でも、原子炉内はどのような状態であるかは明らかになっておらず、 「ブラックボックス」のままだ。
12月には原子炉が安定した状態であることを意味する冷温停止状態を達成したが、今月に入り、2号機で再び問題が生じた。
原子炉圧力容器下部に3つある温度計の1つが異常上昇し80度を超えたのだ。温度計は20度の誤差があるとされ、冷温停止状態の条件である100度以下を保つためには、温度計の値を80度以下に維持することが必要。東電はさまざまな原因を推測し、原子炉への注水増やホウ酸注入など対策に追われた結果、温度計の故障であると断定するに至った。
現場の高い放射線に阻まれ、計器類の修理や交換をすることは容易ではない。代替の温度計設置は、新規の技術開発が必要になるため、可能になるのは平成26年度以降になる見込みだ。
原子炉建屋が吹き飛んだ福島第1原発4号機。使用済み燃料貯蔵プール上部の燃料交換機付近では作業員の姿があった。プールには1535本の燃料があり、平成25年末までの燃料取り出し着手が目標となっている。
深い傷痕むき出し 福島第1原発高橋毅所長 原子炉安定している
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