江戸時代の情緒漂う宿場町。タイムスリップしたかのような錯覚に陥る古い町並みが、山形県の庄内地方にある。古色蒼然(そうぜん)たる風景はすべて時代劇などのロケ用に建てられた。月山(がっさん)のふもとに広がる、山形県鶴岡市の「庄内映画村オープンセット」だ。
阪本順治監督の「座頭市 THE LAST」、三池崇史監督「十三人の刺客」など、さまざまな映画やドラマの撮影地として業界では知られた場所。通常、撮影終了後には壊されるセットを観光資源として利用、制作者側の解体費用節約にもなっている。平成18年の開設当初は非公開だったが、21年から一般公開が始まった。映画村誕生のきっかけは鶴岡市出身の小説家、藤沢周平だった。庄内地方は藤沢周平ゆかりの映画の舞台に度々なっており、平成17年公開の「蝉(せみ)しぐれ」撮影時に、地元でセットの保存を求める機運が高まったのだという。夏は緑の美しい一帯だが冬は4㍍もの積雪に見舞われる。通年営業できないだけでなく、休業中も建物の倒壊を防ぐため雪おろしが必要。施設の維持だけでも大変になる。敷地面積は東京ドーム約20個分に相当し、全体の年間維持管理費は約5000万円にのぼるという。
探訪 静かに息づく銀幕の世界 山形県鶴岡市の庄内映画村
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