航空自衛隊に「侵略者」(AGGRESSOR)と呼ばれるパイロット集団がいる。新田原基地(宮崎県新富町)の飛行教導隊。隊員は特殊迷彩塗装の戦闘機Fー15(通称・イーグル)を操り、国内各地の基地に所属する戦闘機と空中戦訓練で対(たい)峙(じ)する。高い技術を持つパイロットたちが演じるのは「日本の敵」だ。
近隣諸国の空軍の特徴や戦技を調査解析し徹底的に模倣。日本と仮想敵国に分かれ空中格闘戦訓練(ドッグファイト)を行っている。高度5000m以上、時速800km。薄い酸素、急上昇や急旋回で体にのしかかる重力...。過酷な状況の中で求められるのは冷静な状況判断だ。
着陸後は記録した映像を確認、飛行経路や動きが正しかったかを全員で確認する。張り詰めた空気の中、話し合いは数時間に及ぶことも。ある隊員は「ブルーインパルスが航空自衛隊の〝光〟ならば、飛行教導隊は最強の〝影〟でありたい」と話す。
空自は今夏以降、飛行教導隊と浜松基地(静岡県)の高射教導隊、百里基地(茨城県)の基地警備教導隊などを再編し「航空戦術教導団」(仮称)を立ち上げる。戦術や技量の向上を図るのが狙いで、「敵役」の役割がさらに高まるのは間違いない。
探訪・航空自衛隊新田原基地「飛行教導隊」
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