天を突き刺すように伸びた煙突が、赤く染まった夕焼け空に映える。新日鉄住金小倉製鉄所(北九州市小倉北区)の煙突は、鉄鋼業の街の象徴として「アイアンツリー」と呼ばれ、市民に親しまれている。
建設は昭和52年で高さ205㍍。JR小倉駅の北約1キロにあり、鉄鉱石と石灰を混ぜて焼く焼結工場の煙突だ。発生する熱を安全基準をクリアした水蒸気に変えて放出している。
明治34(1901)年、日本初の近代製鉄所として誕生した官営八幡製鉄所に端を発し、重化学工業中心に発展した北九州工業地帯。戦後の高度成長期には京浜、中京、阪神の各工業地帯とともに日本の4大工業地帯に数えられた。が、近年は出荷額減少などを理由に「工業地域」と表現されることもある。
今年1月、政府は世界遺産登録を目指し「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の推薦書をユネスコに提出した。もちろん、旧官営八幡製鉄所の関連施設も含まれ、懐かしい昭和の景色を保存し、工場夜景を観光の目玉に売り出す動きも始まっている。
北九州市は北海道室蘭市、川崎市、三重県四日市市、山口県周南市とともに「日本5大工場夜景」を宣言。工場夜景を楽しむバスツアーやクルーズを実施したほか、昨年秋、北九州で開かれた全国工場夜景サミットを機に、毎週金、土、日のアイアンツリーのライトアップにも乗り出した。
探訪・北九州 アイアンツリー 工業の街を彩る〝鉄の大木〟
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