東日本大震災では大量のがれきが残された。それらを撤去した後も荒れ放題の空き地が目立つ被災地で、羊を使った土地整備が進んでいる。岩手県大船渡市三陸町越喜来地区では、羊がのんびり草をはむ姿が訪れた人をなごませている。
津波被害が大きかった同地区では膨大ながれきが片付いた後も、かつての住宅地を雑草が覆っていた。地元の荒れた姿を見かねた岩手大学名誉教授の内藤善久さんは「市民の憩いの場を作ろう」と決意。地元住民やボランティアスタッフとともに平成24年1月、NPO法人「越喜来の景観形成と住民交流を図る会」を設立した。
内藤さんらは津波で空き地になった約3500平方㍍を地主から借り、雑草を刈って牧草の種をまき、オスの綿羊5頭の放牧に乗り出した。地元婦人会は羊の毛からフェルトグッズなどを手作りし、愛らしい作品は、ボランティアらを通じて東京のイベントなどでも販売された。
現在、一帯では高台への移転計画が進み、羊の傍らには造成工事などに使う土が山積みされている。現在の〝牧場〟は横を走る県道の整備工事などのため、来年度からは津波で同じような被害を受けた地域に移転する予定という。
羊で一新 津波の荒れ地 岩手県大船渡市
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