「カサゴやアミエビなどが右往左往、藻場に集まる魚たちの姿は神秘的で、まるで海の森のようだ」。「第2回かがわ『里海』づくりシンポジウム」で講師を務める報道写真家、中村征夫さんが抱いた瀬戸内の海中のイメージ。シンポを前にした今月初め、香川県沖の海に潜った〝水中写真の第一人者〟に同行した。中村さんは20歳の時から独学で水中写真に取り組み、東京湾をはじめ国内外の海に潜って生き物などを撮り続け、報道的な視点で海の魅力と環境問題を伝え続けている。今回、シンポジウムに向けて〝美しい瀬戸の海〟と呼ばれる県内数カ所の海中に潜り、カキやノリ、ナマコなどの海の恵みに水中カメラのレンズを向けた。香川県沖の海中を潜るのは10年ぶりという中村さん。カキ養殖で知られるさぬき市の沖合では、養殖地直下の海中などで撮影に臨み、「ぶら下がったカキがシルエットとなって、海中でひとつの〝空間世界〟をつくっている」と感激。同市沖のノリの養殖場では「茶色のノリが揺れ動く様は、海の中の野菜畑のよう」と表した。瀬戸内海の撮影で中村さんにとって最も印象に残ったのが、さぬき市長浜沖の天然の藻場。ホンダワラやアカモクなどの藻が繁茂する光景に、「まるで海の森。藻場は稚魚たちの揺りかごになっていて、まさに里山が海に続いているような感じだった」と、神秘との遭遇にとても満足したという。
水中写真の第一人者 中村征夫さん
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