長崎沖に浮かぶ端島、通称「軍艦島」は「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の1つとして先月4日にユネスコの諮問機関であるイコモスから世界遺産の登録勧告を受けた、世界が注目するスポットだ。
長崎港の南西約18㌔に浮かび1周わずか1200㍍。ここで産出された石炭は、「黒ダイヤ」と呼ばれ経済成長の原動力となった。しかし、エネルギー源が石油に移り昭和49年に閉山。かつては人口密度世界一といわれた島は、無人となった。
今回、RCCS(コンクリート構造物の再生および保全に関する国際会議)の現況視察に同行した。
増え続ける従業員のために建設された住宅群は、時の流れとともに朽ち果て〝廃虚の島〟になった。
荒廃した住宅の真っ暗な部屋に足を踏み入れた。闇の奥から誰かに見つめ返されているような感覚に襲われ足がすくむ。
風雨にさらされ鉄筋がむき出しのコンクリート壁。壁のそばで耳を澄ますと、にぎやかだった頃の子供の笑顔、炭坑夫が集う酒場の喧噪、女たちの井戸端会議…。色んな声が聞こえてきそうだ。
そこにあるのはただの瓦礫の山ではなく、そこに人々が生活していたという事実とその息吹だ。
夜になると波しぶきと風の音だけが響く、この島の栄枯盛衰を知る灰色の巨大船はどんな想いで佇んでいるのだろうか。
軍艦島(端島)・Gunkanjima
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