郵便集配車の赤色が〝黄と緑のキャンバス〟に鮮やかなコントラストを描く。心地いい秋風が吹くと、黄金色の稲穂が「ざわ ざわ」と音をたてて風になびいた。
日本の主食、コメの生産量日本一の新潟県。毎年、65万トンを超える収穫量を誇り、中でも小千谷市や魚沼市などで生産される「魚沼産コシヒカリ」は、最高級米として、その名を響かせている。
豪雪がもたらす雪解け水や、昼夜の寒暖差、厳しくもあるが豊かな自然が良質のコメを生み出してきた。
信濃川近くに位置する小千谷市池ケ原地区を訪ねた。広大な丘陵地帯に、数え切れない田畑が幾何学模様を見せる。
夜明け前、田畑を見下ろそうと標高336メートルの山本山高原に向かう。雨で湿った空気が山とぶつかり冷やされることで、田畑を覆うように低い雲が生まれ、その隙間を縫うように、鮮やかな緑と黄色のパッチワークが浮かび上がった。
緑の畑では、ソバが無数の白い花を咲かせ、黄色の田んぼには、黄金色の稲穂が実り、秋の訪れを告げる。
だが、豊かな自然に大きな災害が襲いかかったこともある。平成16年に発生した新潟県中越地震だ。小千谷市では名産の錦鯉の養殖場が壊滅的な打撃を受け、池ケ原地区でも家屋や作業場が全壊するなど大きな爪痕を残した。
あれから11年。復興を遂げた山間に、今年も稲穂を刈り取るコンバインのエンジン音が響き始めた。まもなく全国に最高級の実りが届けられる。
【4K】撮っておき!日本 小千谷の田んぼ
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