色づいた木々の中をゴンドラが進んでいく。眼下には、赤と黄色の〝絨毯(じゅうたん)〟がどこまでも広がる。ロープウエーの駅が小さくなり、麓へ向かうゴンドラとすれ違った。
「近畿より一足早い紅葉を見に行こう」。まだ緑が残る大阪から、宮城・山形両県にまたがる蔵王(ざおう)山に足を延ばした。
「今年は例年に比べ山頂の紅葉が早い」と話すのは「蔵王ロープウェイ」樹氷高原駅助役の井上一志さん。いつもは9月末から10月末にかけて紅葉シーズンを迎える蔵王山。今年は寒い日が続き、色づきが良いという。
刈田(かった)岳山頂(標高1758㍍)の温度計は2度。井上さんは「暖かい格好で訪れて」と話す。
レンタカーで蔵王エコーラインを登る。山頂に近づくにつれて、木々の色づきが深まっていく。「不帰(かえらず)の滝」が望める展望台は、まさに秋一色だった。
噴火でできた火口湖「御釜(おかま)」に車を向けた。山の天気は気まぐれだ。霧で見通しが悪かったこの日も、しばらくすると太陽が顔を出し、エメラルドグリーンの火口湖が美しく浮かび上がった。ナナカマドの赤い実が湖の緑にコントラストを添えている。
陽が傾きはじめた午後4時、黄金色の斜光が木々を深く染める。スキー場のゲレンデ脇に三脚を据え、400ミリの超望遠レンズを山腹に向けた。
山頂から1台のゴンドラがゆっくりと下っていく。ファインダーには、錦秋に染まる山肌に目を奪われている観光客が映っていた。
□撮っておき!メモ
火口湖の「御釜」で広く知られる名峰、蔵王山。日本百名山のひとつで、主峰・熊野岳(1841m)や刈田岳(1758m)を持つ連山。観光の際には「活火山」であることの留意と、これからの季節は暖かい服装が必須。御釜へのアクセスがよい「蔵王エコーライン」、「蔵王ハイライン」は11月4日午後5時から来年4月下旬まで冬季通行止めになる。
【撮っておき!日本】蔵王山 宮城・山形 錦秋染まる山肌 絶景
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