照りつける太陽が高度を上げ、ゴツゴツした岩に落ちる影が濃さを増すと、何やら生き物に見えてきた。ある部分は目、ある部分は口…。やがて現れたのはサルだった。「年賀状にぴったり」などと、口々につぶやきながらシャッターを切る観光客たち。注目の的になっているのは壱岐のシンボル「猿岩」だ。
長崎県壱岐市は壱岐島と周辺に浮かぶ23の小さな島からなり、平成16年に4町が合併して誕生した。九州本土の沖合約26キロ。博多港からは高速船で約65分の距離にあり、約2万8千人が暮らしている。
猿岩は高さ約45メートルの玄武岩で、壱岐島西部の黒崎半島にある。ここには昭和8年に当時、東洋一といわれた全長18メートル、口径41センチの黒崎砲台が設置され、一帯は住民の立ち入りが厳しく制限された。しかし、砲台は実際に使われることなく25年、解体に。その後、一般の立ち入りが許されると、猿岩は一躍有名になった。現在でも島内随一の観光スポットになっている。
壱岐島には「神様が海の中で産んだ島」という神話が残る。島が生まれた際、神様は流されないように8本の柱を立ててつないだ。柱は岩となり、そのひとつが猿岩とされている。
来年の干支は申。大みそかには、ここでカウントダウンイベントとライトアップが予定されている。年明けとともに、猿岩の〝多忙〟な1年が幕を開ける。
探訪 未来見据える申年の主役 長崎・壱岐島の猿岩
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