部屋一面に敷き詰められた突起物。音のない真っ白なスペースに、体が吸い込まれそうだ。外部からの電磁波を遮断する「電波暗室」と呼ばれる実験室に入ると、〝宇宙空間〟に迷い込んだ気分になる。
業務用エアコンで世界最大手、国内シェアでは1位を誇る空調総合メーカー「ダイキン工業」。昨年11月、日本各地に分散していた研究所を集約し、大阪府摂津市に技術開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」を開設した。
TICは、実験棟とオフィス棟からなり、約700人が働く。その中核がエアコン専用として日本初となる「電波暗室」だ。室外機などが出す微弱な「電磁ノイズ」を測定する。
縦20㍍、横11㍍の室内を覆う突起物の正体は、電磁波を吸収する特殊素材をコーティングした発泡スチロール。外部の電磁波を遮断しつつ、室内の反射を抑えて正確な測定ができるという。
「電磁ノイズ」は、家電などの誤作動の原因となるため、法律で規制。トラブルを防ぐためにも、誤差のない測定値が欠かせない。
「電波暗室」のある実験棟を出て、オフィス棟へ。太陽の光が降り注ぐ吹き抜け空間が広がる。4階と5階の間には、社員誰もがわいわいがやがやと打ち合わせができる「ワイガヤステージ」がある。
部門をまたいだ技術融合や、大学との共同研究―。社の内外に開かれた、〝風通し〟のよい空間から次代を拓く新しい技術が産声を上げる。
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最先端技術のゆりかご…ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター
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