宮崎県串間市の南端にある「都井岬」は、黒潮の流れる太平洋に突き出す。広大な牧草地に100頭を超える「御崎馬(岬馬)」が、暮らしている。
前日の雨で、滑る足下を気にしながら、緑鮮やかな牧草地に足を踏み入れた。山の斜面に沿ってゆっくり進むと、尾根伝いを歩く馬の姿が見えた。
都井岬の牧草地は、江戸時代に軍馬の生産を目的として作られた。昭和28年には、「岬馬およびその繁殖地」として、国の天然記念物に指定されている。
夕方、車を走らせていると、先行車が徐行を始め停車した。車道をゆっくりと歩いてくる4頭の馬に囲まれた。
御崎馬は、サラブレッドと違いどっしりとした体つき。体高は130センチほどで、体重は300キロ近いという。車内から写真を撮っていると、来た道を引き返していった。
翌朝、台風の影響か、雲の流れが速く、雨が降ったかと思うと、急に青空が広がったりと気まぐれな天気が続く。
山の稜線に御崎馬の群れを見つけた。群れに近づこうと、急峻な山肌を登る。空が青く変わると、牧草が緑に光り、遠くに輝く海が、雄大な光景を演出する。
15、16頭の群れが、「バリ、バリ…」と、チガヤやシバを黙々と食べ続けている。尾根伝いに吹き抜ける風が心地よい。
群れにそっと近づきカメラを向けると、子馬を守るように雄馬が間に割って入ってきた。雲の切れ目から差し込む光が馬と重なりキラッと光った。
山を下りて振り返ると、稜線から斜面にかけて、御崎馬の蹄が土を削ってできた「馬道」という横筋が夕日を受けて、浮かびあがっていた。
【撮っておき!日本】都井岬の御崎馬・宮崎県串間市
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