陸上自衛隊は滋賀県高島市の饗庭野(あいばの)演習場で実施中の、米陸軍との共同訓練「オリエント・シールド」(東洋の盾)を報道陣に公開。離島防衛にも有用とされる米軍のストライカー装甲車の射撃訓練などが行われた。訓練は21日まで。
オリエント・シールドは、陸自と米軍部隊が、それぞれの指揮系統に従いつつ共同で作戦を実施する場合の連携を訓練するのが目的。訓練は11日から実施し、陸自からは第3師団の第36普通科連隊約900人が、米軍からは陸軍3-25旅団など計約450人が参加している。戦車などの射撃や衛生、通信、偵察といった機能別の訓練のほか、防勢作戦から攻勢作戦に転移する場面での共同反撃という専守防衛に即した総合訓練も実施する。14日には米軍のストライカー装甲車による訓練の様子を報道陣に公開した。
ストライカー装甲車はC130輸送機などで迅速に展開できる大型装甲車として1990年代に開発され、歩兵9人を輸送可能。装甲は14.5ミリの機関砲弾の攻撃に耐えられる。主武装は12.7ミリ機関砲と40ミリてき弾発射機(グレネード・ランチャー)。
特に地域紛争やテロに対して迅速に戦力を展開できるのが特徴とされる。また重量を約14・5トンに抑えて輸送機による迅速な展開を可能としたことで、離島防衛などでの奪回作戦にも極めて有効とされている。
訓練では、このストライカー装甲車が戦闘行動中に有毒化学物質に汚染されたとの想定で、陸自部隊が除染作業を行う様子を公開した。作業は汚染物質の調査と特定に始まり、高圧噴射機で水洗いのあと中和剤等薬剤による消毒ののち、再び水での洗浄を実施。また一般歩兵の除染作業も行われたが、いずれも防護服の着用などで会話による意思疎通が難しいため、サインボードとジェスチャーによる円滑な作業が求められていた。
車両の除染は鳥インフルエンザ発生時の車両消毒工程を大規模にしたものだが、特にリモコン銃塔を含めた高さが約7メートルもあるストライカー装甲車を除染するとあって、アーチ型の噴霧器が使用されるなど軍用車両ならではの作業が公開された。
またストライカー装甲車と陸自の74式戦車の連携による射撃訓練も実施。74式が主砲の105ミリ砲で敵装甲車両などを攻撃したあと、ストライカーが40ミリグレネードランチャーなどで敵兵員を無力化するとの想定で、それぞれが実弾射撃訓練を行った。このほか市街地でのテロなどを想定した至近距離実射訓練や小隊戦闘射撃も公開された。
ストライカー装甲車と同様の特徴を持つ装甲車を日本でも生産しようという構想がある。ストライカー装甲車には105ミリ対戦車砲を搭載した武装強化バージョンがあるが、これとほぼ同様の性質を持つのが、28年度の予算で調達が始まった陸上自衛隊の16式機動戦闘車。ストライカー装甲車と同じ8輪の大型タイヤを持ち、戦車より軽く、迅速な展開が出来るとしているものだ。現在、この16式をベースに主武装を機関砲などにした装甲車の研究開発が行われている。まさに日本版ストライカーとも呼べるもので、テロやゲリラ等への対応はもちろん、空輸可能な機動性をいかした離島防衛での役割も期待される。(岡田敏彦)
日米共同訓練「オリエント・シールド(東洋の盾)」を公開
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