「日本最北端の地」の石碑が立つ北海道稚内市。稚内港には、まるで古代ローマの神殿のような防波堤ドームがある。西日が差し込む午後4時過ぎ、外灯は光の反射で輝き、柱の影は長さを伸ばしいく。辺りは幻想的な光景を作り出していた。
稚内港は年間を通じ風が強く、波も高い。このドームができる前は、岸壁にいる人が防波堤を越えた波に流される事故が絶えなかったという。
大正12年(1923年)、稚内と樺太(現サハリン)を結ぶ連絡船が運航を開始、北方交通の要衝として港は栄えていった。港の人たちを高波から守るため昭和6年、半アーチ型の北防波堤の建設開始、5年をかけて完成した。全長427メートル、高さ13.6メートル、70本の円柱が連なる。
13年、ドーム前に「稚内桟橋駅」が開業。このドームができたおかげで、乗客は強風や高波を心配することなく安全に列車から連絡船への乗り継ぎが可能になった。
終戦後、連絡船はなくなり、ドームは本来の役目を終える。長年、過酷な自然環境にさらされ、コンクリートの劣化などが進んだことから、53年から3年をかけ全面的な改修工事が行われた。平成13年には「北海道遺産」に指定されている。
現在、年間を通じさまざまなイベントが開催され、映画やテレビCMの撮影地として利用されるなど、「最北の玄関口」のシンボルになっている。
市内在住の50代男性は「観光客が来ない冬の閑散期でも、地元の人間はランニング、親子でキャッチボール、若い人はスケボーの練習なども雪を避けてできる。地元住民にとっても大切な存在だよ」と話した。
view 市民に愛される〝最北の神殿〟北海道・稚内港北防波堤ドーム
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