ファン、ファン―。警笛を鳴らしながら、ジャングルからディーゼル列車が近づいてきた。車両正面の行き先表示には「試運転」の「試」と「転」の漢字がのぞく。線路で遊んでいた子供らは一斉に線路脇に避けた。通り過ぎる車体横には日本とミャンマーの国旗が描かれていた。
半世紀続いた軍事政権から2011年に民政移管を果たしたミャンマー。欧米による経済制裁はほとんど解除され、安い労働力と新しい市場に、世界の注目が集まっている。
経済の中心・ヤンゴン市内を走る環状線(約46キロ)は、かつて日本各地で活躍した中古のディーゼル・カーが走っている。ミャンマーからの要望を受け、JR各社などが譲渡したものだ。
ヤンゴン中央駅からこの列車に乗車してみた。ドアは閉まることがなく動き出した。揺れはひどく、ドア付近にいると投げ出されてしまいそうだ。しかし、吹き込む風は蒸し暑い車内を和らげてくれる。
車掌と身ぶり手ぶりで話をしていると、近くに座っていた女性がニコニコと顔を向けてきた。彼女は日本語を学んでいる学生のウィー・シャン・レイさん(22)。「日本の車両はミャンマーの生活に欠かせません」と話す。
車内には「禁煙」などの日本語表示も残ったまま。聞くと日本製であることを強調するためだという。
日本の列車は、遠い異国で”第二の人生”を走り続け、経済発展を支えている。 (写真報道局 三尾郁恵)
view まだまだ現役、異国を走る ミャンマーの日本製中古車両
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