「なかなか遺産」第4号の誕生だ!3月25日、静岡県袋井市の「どまんなかセンター」で「なかなか遺産・ゆうゆう系」の認証式が行われた。明るい緑色の板張りの壁に瓦ぶき屋根、木造2階建てのセンターは、地味ではあるが気になる存在。
袋井は東海道五十三次の27番目にあたる“ど真ん中”の宿場町。「どまんなかセンター」は、その袋井のさらに、ど真ん中にある。すぐ北側を旧東海道が東西に走り、県道と原野谷川が交わる静橋のたもとに建つ。
昭和25年に建てられた「中村洋裁学院」が前身。悠々と時を刻み続けてきたことで「ゆうゆう系」として選ばれた。
ピーク時には、毎日200人近くの生徒が昼夜に分かれて通っていた洋裁学院も、平成5年に閉校。昭和30年ごろに始まった琴教室だけが残された。
建物の管理に携わる同市の建築士、倉田布美江さんが、初めて足を踏み入れたのは平成13年ごろ。「川の近くという眺めの良さやホールの感じが良かった。ここに人が集まったら楽しいだろうな」と感じたという。
22年12月に開催された、アートイベントへの参加がきっかけとなり、近所の人がペンキ塗りや床の補修などを実施。名称が「どまんなかセンター」と改められたのもこのころだ
会場では、おやじバンドに子供の演劇、パステル画の展示などジャンルを問わずにイベントを開催。さらには、何となく遊びにくる小中学生や飛行機模型を作り続けるおじさんなど、お祭りのようなにぎやかさだった。
倉田さんは「ジェットコースターみたいな勢いで、毎日色々な人がやってきた」と1カ月のイベント期間を振り返る。
現在は、週2回の琴教室と、近くの人々の交流の場として利用される。老朽化が進み大きなイベントがしにくい状況で、建物の補修が課題になっている。
認証式では、「なかなか遺産」旗が引き継がれ、琴の演奏で登録を祝った。会場には中村洋裁学院に通っていたというおばあさんの姿もあった。
「変わらずそこにあるというのが建物の力。あればそこに戻ることができる」。遠州の強いからっ風にきしむ音を立てながら町の中心にたたずみ、人と人をつなげるど真ん中でもあり続ける。
なかなか遺産 どまんなかセンター
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