鮮やかな新緑に赤い鉄橋が映える。朝一番で通過する白い列車が、ダム湖の水面に投影された鏡のような風景に彩りを添える。
東北地方の中央部を南北に走る奥羽山脈を横断するJR北上線は、岩手県北上市と秋田県横手市を結ぶ。岩手県西和賀町の錦秋湖はそのほぼ中間にあり、四季折々の景色が楽しめる。湯田ダムの人造湖で昭和39年に完成した。その名の通り、秋の紅葉は特に観光客に人気だが、梅雨時の新緑も緑が濃く趣がある。
JR北上線は営業距離61.1キロ。大正13年に全線で開通した。もともとは明治40年、仙人鉱山の鉱石を輸送するため、人が貨車を押す人車軌道が始まりだった。その後動力として馬が導入され、機関車へと移った。
そして人口減少の時代。地方における若い世代の流出は全国的な課題となり、利用者が減り、維持が難しい地方路線は増えている。厳しい状況は北上線も例外ではない。
JRが発足した30年前、利用者は1日1200人近くいたが現在は300人余りにまで減少している。
朝の時間帯は登校する高校生の利用が目立つ。岩手県立西和賀高校は、全校生徒95人のうち約3割が北上市から列車で通学する。西和賀町は生徒数が減らないよう、北上市から通う生徒の定期代を一部補助しているという。ローカル線を維持するため、沿線自治体も工夫をこらしている。
菅原基・副校長(50)は「今年4月の新入生は29人にとどまり、初めて生徒数が100人を割ってしまった。定員割れが続き状況は厳しいが、生徒確保に北上線の存続もかかっているので頑張りたい」と話す。 (写真報道局 宮崎瑞穂)
view 新緑の季節を映す錦秋湖 岩手・JR北上線
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