宮城県大崎市の岩出山地区は、豊かな水に恵まれる県内随一の米どころ。古くは伊達政宗の居城のあった奥羽山脈の丘陵地帯に、「そろそろ遺産・てんてん系」の「板倉(いたぐら)」が点在している。
「板倉」は農家が、主に籾(もみ)を貯蔵するために使ってきた米蔵のこと。縦に溝を切った柱を並べ、木の板を落とし込んで壁を作るシンプルな構造。壁板は天井から床まで届く〝1枚モノ〟もあれば、小さい板を積み重ねたものもある。
広さは10〜50平方メートルと大小さまざま。漆喰(しっくい)を塗った壁板もあり、屋根の素材も、瓦やトタンなど、色々な組み合わせのものが点々としている。
建築事務所に勤務する石田和久さん(24)が昨年に行った調査によると、同地区には159棟が残っている。
現存するのは、明治から昭和初期にかけて建てられたものが多く、時を経て変色した木材の風合いも味わい深い。
山口喜子(のぶこ)さん(79)は、敷地にある板倉の床をフローリングなどに改装し、納戸として使う。建て替えの話も出たが「壊すのはもったいないと思ったので」と振り返る。
一方、中島陽太郎さん(79)は「今では使わない物が入っているだけ。扉を開けることはめったにないよ」といい、米蔵としての役目を終えた板倉が増えている。
緑に囲まれ、青空に溶け込む童話のワンシーンにような板倉に出会った。
「祖父が1年分のお米代で建てたんですよ」と話すのは、大沼悦子さん(80)。ほとんど使うことはないが「存在していることが大事で、うちの宝物です」と笑顔を見せる。
積極的に活用されているものから、使われはしないものの集落に寄り添い、景観の一部になっているものまで。「てんてん系」は、個性豊かだ。
なかなか遺産 板倉(そろそろ遺産)
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ