港を出て15分、船は穏やかな海の上で止まった。突然、船首の目の前で数頭のイルカが浮き上がり、潮を吹く。〝アイドル〟の登場に乗客から歓声が上がった。
長崎県の島原半島と熊本県の天草諸島の間にある「早崎瀬戸」。豊穣の海と称される有明海の入り口にあるこの海峡は、潮流が早く、多様な魚が集まる。それらをエサとする野生のミナミバンドウイルカ約300頭が生息し、一年中観察することができる。長崎、熊本両県から合わせて10隻ほどの遊覧船が、連日出港している。
「島原半島でイルカウォッチングがさかんになったのは雲仙・普賢岳の噴火災害がきっかけです」と話すのは、遊覧船を運航する「かづさイルカウォッチング」代表の田中一平さん。平成3年6月に発生した火砕流では死者・行方不明者が43人にのぼり、観光は大打撃を受けた。このとき、観光資源として注目されたのが天草側で人気のあった「イルカウォッチング」だったという。
夫婦で遊覧船に乗船した愛媛県新居浜市の川村竜二さんは「病気療養中だったが、イルカたちのかわいい姿に元気づけられた」と笑顔で話した。島原半島の復興に一役買ったイルカは、今日も人々に癒やしを与えている。(写真報道局 古厩正樹)
※ 4K映像はドローンで撮影した部分です。他はフルHDで撮影した映像です。
人々を癒やす島原復興のイルカ【4K】
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