先月、グッゲンハイム美術館(米ニューヨーク)など8作品の世界文化遺産登録が決まった米建築家フランク・ロイド・ライトは、日本と縁が深かった。「近代建築の三大巨匠」の一人で、多作だったが、出身の北米以外で作品が現存しているのは日本だけだ。
東京・西池袋の喧噪(けんそう)から離れた住宅街に、自由学園「明日(みょうにち)館」がある。1921(大正10)年にジャーナリストの羽仁吉一、もと子夫妻が創立した女学校の校舎を、帝国ホテル設計のために来日していたライトが手がけたものだ。
建物の〝顔〟である大窓を持つホールを中心に左右対称で、屋根は低く、コの字形の校舎が青芝の前庭を抱くように軒を伸ばす。「プレーリースタイル(草原様式)」と呼ばれる、ライトの初期を代表する作風だ。
明日館の広報、吉川紗恵さんは「左右対称、水平線を強調した造りはシカゴ万博(1893年)の日本館『鳳凰殿』を見て着想を得たとも言われています」と話す。
生徒数が増えたため学園は移転したが、明日館は一般に開放され、結婚式や催し物などでいつもにぎやかだ。「百年前の設計にも関わらず違和感なく使われているのを見ると、改めてライトは偉大な建築家だと思います」と吉川さん。
世紀の時を越えて、今も現役の建築として息づいている。
フランク・ロイド・ライト「明日館」 東京都豊島区
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